2002(方法絵画)
2007年07月24日
378個の同一文字第六番
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378個の同一文字第六番
2002
75.5×55.5cm
リトグラフ
発表歴:2002 日韓現代版画交流展、プリントハウスOM(横浜)
Courtesy Gallery Cellar、Courtesy print house OM
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今日の藤田は某美術館に行くのです。
版画の作家さんのワークショップを取材に行くのです。
あれ?そういえば私、中ザワさんの版画作品っていうの、見たことがある。
中ザワさんをつついたところ、本日の一品を出してくれました。
これは新横浜にあるプリントハウスOMという場所で制作されたもので、
中ザワさんがずっとやってみたかったという、
文字(イメージ)を重ねるという表現をしたものだそう。
デジタルのデータ上での表現では満足できなかったそうです。
アナログの実物だと、重ねられているところは本当にインクがその分盛り上がっているのだそうです。
この一品は「第六番」です。
第一番〜第五番は、中ザワさんの作品集「209個の同一文字第一番〜第五番」に入っていて、
第六番は草間彌生とかチェ・ジョンファとか、
日韓の美術家による版画集Korea and Japanese 10 Print Worksに入っています。
JISコード第二水準表の「水」の部首の最後の文字「灣」を使って、
大きいサイズから小さいサイズまで、重ねて重ねて重ねて・・・るらしいです。
それで、引いて見ると、大きい一文字の「灣」がうっすら見えるのです、なるほど。
Korea and Japanese 10 Print Works、209 same characters No.1 - 5
2007年06月25日
正六面体型回路第二番
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正六面体型回路第二番
2002
電球、コード、電池
発表歴:2002 個展「回路」ギャラリーセラー(名古屋)
Courtesy Gallery Cellar
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2月24日に紹介した正八面体型回路第三番と同じシリーズ。
前回の「正八面体」が理解できなかった藤田ですが、
今回の「正六面体」は「立方体」って、分かったゾ!とエラそーに言ってる場合じゃないですね。
この画像だと電球はひとつしか光ってないように見えますが、
理論上では全部光っているそうです。
でも写真に写らないくらいの明るさらしく、
中ザワさんは「抵抗がナントカカントカ」って言ってました。
私、それを聞きながら思い出したことがあるのです。
小2のとき、私の小学生史上「45点」というひどくサイテーな点数のテスト、
こういう乾電池の配列で取ったってことを!
「正八面体」だか「正六面体」だかも理解しきれてない私の脳みそは、
乾電池の直列つなぎとかも理解できないのでした・・・。
ポートフォリオ 正六面体型回路第二番(配線図とギャラリーセラーでの展示風景) 方法 第17号
2007年03月14日
19235枚の硬貨から成る41193円 (金額第二四番)
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19235枚の硬貨から成る41193円 (金額第二四番)
2002
硬貨、接着剤、布
発表歴:2003「VOCA展2003 現代美術の展望-新しい平面の作家たち」上野の森美術館、ほか
受賞歴:VOCA展2003 奨励賞
第一生命保険相互会社蔵
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今日は上野の森美術館では「VOCA2007」のシンポジウム&内覧会です。
一般公開は明日15日からですが、
藤田はいちおプレスなので今日見に行こうかな〜と思ってます。
「VOCA展」とは・・・
40歳以下の若手作家支援を目的とした、平面作品の展覧会。
審査員が選考委員を選び、選考委員が作家を推薦、
作家が出した作品を審査員が審査してVOCA賞、奨励賞などを選ぶ、
というユニークなシステムを取っているのが特徴です。
2003年のVOCA展では、中ザワさんが奨励賞を取ったんですよね。
それが、本日の一品です。
私、どこに展示されていたかさえも、覚えています。
というか、その前年、私は美学校の仲間たちと中ザワさんとで旅行に行ってました。
愛媛の僻地で、映像作家の大木裕之さんと出会い、
大木さんと中ザワさんは「VOCAに出す」話をしていました。
そのあと、中ザワさんはニューヨークに行ってしまいました。
当時私は中ザワさんのことを「遠い場所に行ってしまった」と思い、
毎月の「方法メールマガジン」が送られてくることだけでしか、
中ザワさんのことを思い出すことはありませんでした。
VOCA展を上野の森美術館に見に行ったとき・・・。
階段を昇り、軽くらせん状になっている2階の会場をくるりと回り、
もうひとつの階段を下りるまでの間にあった中ザワさんの作品を見て、
夏の記憶を思い出しました。そして、叫び声を上げました。
(左手の隣の隣に大木さんの作品があったのも覚えてます)
幕のような大きな布に張られた硬貨、その量と大きさには圧巻!!
奨励賞だからとかなんだとか言うのではなく、これはヤラレたと思いました。
中ザワさんの「金額」シリーズの中でも、この一品は傑作のひとつだと思います!!
・・・ちなみにそのあと、私の地元にある大原美術館でも見た記憶アリ。
今年のVOCA展も楽しみですね。
VOCA2007 チサイノボヤキ
2007年02月24日
正八面体型回路第三番
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正八面体型回路第三番
2002
電球、コード、電池
発表歴:2002 個展「回路」ギャラリーセラー(名古屋)
Courtesy Gallery Cellar
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今日の東京はまだまだ冬のよう、寒いです。
朝から出掛けようと思った藤田は、
引き出しからカイロを出そうと・・・。
いいえ、この作品はそのカイロではありません。
電球が点る「回路」です。
正八面体、というのは
8個の正三角形で囲まれた立体図形。
これは2個の四角錐の底面同士をくっつけた立体としても、
イメージできます。
この「回路第三番」のつながりも、
よく見ると、全部三角形の辺に1個ずつ電球か電池がある!
と中ザワさんに教わったのですが・・・、
うーんと、うーんと。
中ザワ「思い描いてほしいけどなぁ」
想像力以前に、図形を理解していない藤田は、
この回路の図形を立体的に思い描けないのでした。
とほほ。
ポートフォリオ 正八面体型回路第三番(配線図とギャラリーセラーでの展示風景) 方法 第17号
2007年01月12日
三声の五十音インヴェンション第一曲
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三声の五十音インヴェンション第一曲
[音楽作品]
2002
発表歴:2002 下北沢ARTIST(赤刎泰子による、MTRを用いたリアルタイム一人多重録音ライブ)、2006 渋谷アップリンクファクトリー(池田拓実、鈴木悦久、安野太郎による、三名三声)
収録:2006 CD「中ザワヒデキ音楽作品集」ナヤ・レコーズ
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明日1月13日(土)は、 「中ザワヒデキ音楽作品集発売祝賀ライブ」が開催ですね!
「そそのそららら そそのそり」
・・・で始まるこの作品。
去年発売されたCD「中ザワヒデキ音楽作品集」のジャケットにも、
この作品の“楽譜”が使われています。
「インヴェンション」とは、音楽用語です。
多くの人に親しまれている「バッハのインヴェンション」でもご存知の方もいるのではないでしょうか。
中ザワさんは音楽にもかなり造詣が深く、
カノンやモノフォニーといった音楽作品だけでなく、
自身のバカCGやアニメーションにも音をつけるなど、
いままで多くの作曲を手掛けてきました。
CDの説明によると「五十音を用いた方法音楽作品」のシリーズとのこと。
この作品には、ドレミのようなメロディはありません。
「そそそのららら」の「そ」は、「ソ」や「ラ」ではありません。
楽譜になった文字は、男声3人が“詩”を読むように、
7文字(ex/そそのそららら)+5文字(ex/そそのそり)のリズムにあわせ、
4文字(ex/そ の ら ら)+3文字(ex/そ の り)、
あるいは最後の1文字「り」を同時に発しています。
日本語の“かな”1文字ずつが生み出す、
こだまのような連なり、おしゃべりのような重なり。
旋律があるわけでも、意味があるわけでもないのに、
とても心地よく感じるのはなぜでしょうか。