その他(方法)

2007年01月09日

方法絵画、方法詩、方法音楽(方法主義宣言)

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方法絵画、方法詩、方法音楽(方法主義宣言)
by中ザワヒデキ(美術家)、松井茂(詩人)、足立智美(音楽家)
2000

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中ザワさんの美術家人生を語る上で、
決してはずしてはいけないこと・・・それが「方法」です。
「方法」は、美術家の中ザワヒデキ、詩人の松井茂、音楽家の足立智美の
3人によって、2000年に始められました。

この「方法絵画、方法詩、方法音楽(方法主義宣言)」は、
年賀状で少なくとも500通以上、Eメールで少なくとも1000通以上、
2000年1月1日に発送されました(と詩誌「妃」に書いてあります)。
発送当時、年賀状には「方法主義宣言」の文字はないですが、
Eメールには「方法絵画、方法詩、方法音楽(方法主義宣言)」と書かれていました。
2000年1月1日当時は想定されなかったのですが、
その後、「方法主義第二宣言」など、続いて発表していくものとの違いがあるため、
いまは「方法主義第一宣言」という名前で呼ばれています。

当時の中ザワさんは36歳。
美術家として新しい活動をはじめるには、きっと勇気も必要だったはず。
美術以外のジャンルの人との活動をすることも、きっと決断があったはず。
私は現在32歳ですが、中ザワさんがどうしてこんなことをはじめたのか、気になります。
詩誌「妃」には、中ザワさんが詩人の松井さんとランチをともにしたときに、
方法の活動をしようと思った、という当時の状況が書いてあります。

ところで、難しい言い回しの「方法主義第一宣言」は分かりにくいですね。

「同語反復」とは、「美術は美術である」というように、同じ言葉を繰り返す言い方。
内容には意味がないのですが、論理はあります。
快楽を求める考え方でないので、方法主義は禁欲主義です。
つまり、美術にとっての快楽である「色」を使いません。
その代わりに、すでに昨日などにも紹介していますが、
中ザワさんの当時の作品を見ると、文字、お金など「違う物質」で作られています。
快楽がないので、しかたなくツマラナイものになる、
というか、ツマラナイものを作るだけになる。
という論理なので、単調だったり、パターンになっている作品になります。

・・・ということを、
2000年の元旦に宣言された「方法主義」。
途中で音楽家が足立さんから三輪眞弘さんに代わり、
活動自体は2004年12月31日で終わっています。

バブル崩壊後、不況と言われ続けた時代に生まれた運動らしいと思います。
しかし、この5年間の活動で発表した作品群は、数が多く、本当に退屈。
中ザワさんの美術家人生の一時期やイメージを形づくった活動でもあり、
もちろん中ザワさん以外の詩人、音楽家の当時およびその後の活動にも
着目すべきことは多いです。
私個人は、その退屈で単調なものを、とても面白く感じていました。
ジャンルを横断しようとする試みも、うらやましく見えたものです。

1月8日に紹介した「903個の回文的造語から成る文章第一番」
朝日新聞あるいは1月6日7日に紹介した「金額」のシリーズなどもそうですし、
今後も小出しに「方法」時代の作品は紹介していきます。
そのたび、この「方法主義第一宣言」を読み直してもらえればと思います。

方法 詩誌「妃」


nakazawa_hideki at 23:14コメント(0)トラックバック(0)  この記事をクリップ!
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