1988(アクリル画)
2007年07月09日
ゾーキンガケよ
↑クリックして拡大
・・・・・
ゾーキンガケよ
1988
9.8×16.7cm
アクリル絵具、紙
発表歴:1988 個展「火星人ヨサラバ」ギャラリーアートワッズ(東京)
行方不明
・・・・・
**日本経済新聞朝刊での
中ザワヒデキの連載「滅失絵画 十選」掲載日と連動し、
「一日一品ブログ」では、
中ザワ作品の滅失ならびに行方不明作品を藤田千彩が紹介します。**
日本経済新聞で中ザワが紹介する「滅失絵画」は、
「物理的になくなった絵画」として、滅失した絵画作品を紹介している。
したがって、本日の一品は「滅失」ではない。行方不明作品である。
1988年に行われた、
中ザワにとって第3回目の個展「火星人ヨサラバ」ギャラリーアートワッズ(東京)は、
中ザワが社会人になって、つまり医師になってから行った展覧会である。
中でもこの作品は、医師になって初めて描いた作品であった。
この年の5月、日本医科大学付属病院に勤めるため、
勤務地近くの根津へ引越をした中ザワは、引越案内の通知をするとともに、
引越案内の通知と名刺が兼ねられたほうが実用的だし、
単に普通の名刺をつくるだけでは面白くないので、うまくデザインして、
引越案内通知のまま、切り取ればそのまま名刺にもなるようなポストカードを制作した。
宛名面に名刺を印刷したが、その裏の絵柄面にはふたつの作品を配置した。
ひとつは雨、フ、ル、日。(赤)、
そしてもうひとつがこの作品「ゾーキンガケよ」で、ちょうど名刺の裏側に収められている。
「ゾーキンガケよ」が発表された展覧会では、
中ザワの友人の友人の関陽子さんという方が気に入って購入。
その後、年賀状ではやりとりがあり、1998年までは自宅に飾ってくれていたらしいが、
喪中を機にやりとりが途絶えてしまった。
2004年の個展「中ザワヒデキの原点展: 1980年代アクリル絵画」ギャラリーセラー(名古屋)の際、
作品借用のため改めて連絡したところ、本作品は
彼女のアイルランドの友達のLouise Rodinさんに6年前に贈呈したとのこと。
そして、Rodinさんに連絡をお願いしたが、転居していて連絡も取れないとのこと。
つまり、「行方不明」となっていることが判明した。
このブログでは、本作を探しています。
今後の展覧会の際に展示する、あるいは買い戻す用意があるので、ぜひご連絡ください。
この作品をアイルランドまたは他所で「見た」というかた、是非ご連絡ください。
またはLouise Rodinさんの連絡先をご存じのかた、是非ご連絡ください。
宜しくお願いいたします。
2007年06月15日
雨、フ、ル、日。(赤)
↑クリックして拡大
・・・・・
雨、フ、ル、日。(赤)
1988
16.5×16.5cm
アクリル絵具、紙
発表歴:1988 個展「火星人ヨサラバ」ギャラリーアートワッズ(東京)、2004 個展「中ザワヒデキの原点展:1980年代アクリル絵画」ギャラリーセラー(名古屋)
個人蔵
・・・・・
とうとう「梅雨」の季節です。
最近、自転車を愛してやまない私としては、乗れない日があるってヤダ。
私の自転車は高校入学時から乗ってるから、もう18年のお付き合い(笑)。
クラスで唯一の、自宅生で自転車通学だった記憶があります。
山にあった学校なので、自転車置場に虫とか生物がたくさんいました。
そのひとつがカタツムリ。
雨が降ると大量発生して、革靴で無意識に「ペシャ」ってつぶしてた。
・・・という、心イターイ思い出を本日の一品で思い出しました。
この作品のカタツムリはかわいいけど、
私にとってのカタツムリは、
決して「ツノダセヤリダセ」なんてノンキな物体じゃないなあ。
そしてこんなふうにしゃべられたら、つぶれたときのうめき声とか聞こえそう。
ついつい一つの作品で思い出やらカタツムリに対する思いをぶちまけてしまいました。
作品鑑賞って、これでいいのかな?!
2007年04月14日
シリョクヒョウ
↑クリックして拡大
・・・・・
シリョクヒョウ
1988
103×72.8cm
アクリル、木製パネル
発表歴:1988 個展「火星人ヨサラバ」ギャラリーアートワッズ(東京)、2004 個展「中ザワヒデキの原点展:1980年代アクリル絵画」ギャラリーセラー(名古屋)
個人蔵
・・・・・
藤田「今日はイベントで司会をするんですよ」
中ザワ「へぇ、シカイ。僕はガンカイ」
そう、中ザワさんは眼科医です。
それを裏付けるような作品が本日の一品。
きゃー!かわいい!!
中ザワさんがこの絵を描いたきっかけは、
医者一年目で絵を描いていることが当時の眼科教授にばれてしまい、
「眼科でやっていくのか、絵でやっていくのか」と聞かれた中ザワさんは、
「両立です」と答えたそうです。
が、
「どっちかにしなさい、絵だったら絵でいいから」と言われ、
そのときは「両立」と答えて逃げ通そうと、
「両立」を実践することを証明しようとして描いた作品なんだそうです。
(え?これで眼科医と絵の「両立」って言えるんですか!?)
しかし個展を終えてからやはり両立はだめだと思い、
絵に向かうことを決意したんだそうですよ。
2007年01月29日
タイムマシン
↑クリックして拡大
・・・・・
タイムマシン
1988
31.2×31.2cm
アクリル絵具、紙
発表歴: 1988 アートワークス展III「PEACE BY PIECE」(詳細1) (詳細2) ギンザ・グラフィック・ギャラリー、1988 個展「火星人ヨサラバ」ギャラリーアートワッズ、2004 個展「中ザワヒデキの原点展:1980年代アクリル絵画」ギャラリーセラー(名古屋)
個人蔵
・・・・・
この時代に戻りたい、ってありますか。
私は小学校2年のときに戻りたい。
高校時代に戻りたい。
いろいろ戻りたい時期があります。
そして、家族だんらんや友だちと騒いだ、
楽しくて暖かさにあふれた、
あのなつかしい時間をもう一度楽しみたいわけですわ。
今回の作品のタイトルはずばり「タイムマシン」。
サディスティック・ミカ・バンドの名曲「タイムマシンにお願い」
をモチーフに、展覧会のために中ザワさんが描いたものです。
中ザワさんがタイムマシンに乗って(?)描いたものは、
歌詞にあるとおり、
恐竜あり、古代生物あり、侍あり、黒船や異人ありの時代です。
んー、いまの私にはそれは遡りすぎだな。
もちろん、そういうのもアリですが。
2007年01月19日
11の男
↑クリックして拡大
・・・・・
11の男
1988
19.5×19.5cm
アクリル絵具、紙
発表歴:1988 個展「火星人ヨサラバ」ギャラリーアートワッズ(東京)、2004 個展「中ザワヒデキの原点展: 1980年代アクリル絵画」ギャラリーセラー(名古屋)
個人蔵
・・・・・
ようやく週末ですね。
だいたい金曜日には、打ち合わせがあって浜松町に行くのですが、
時間も時間だと、サラリーマンのオッサンたちに出くわします。
仕事を終えて家路に急ぐ人、これから地方へ帰る人など・・・
改札の周りは大きい荷物を抱えて、訛りのある言葉を携帯に向かってしゃべってる、
そんなオッサンの集団がいるのですわ。
「男って大変よねー」
今日はそんな気持ちからか、なぜかこの作品が目に留まりました。
といっても、描かれている「男」は「裸」だったりします。
男の裸がこんなに描かれていると、
エロなんかじゃなくて、
「今日見た集団のオッサンがもし裸だったら」
とドリフ的想像をしてしまいます。
こんなにスマートじゃないでしょうけどね、あはは。
なんで中ザワさんがこの絵を描いたのか?
今日は中ザワさん、締め切りを過ぎた原稿に追われてるので、
今度また聞いてみようと思いました。
・・・・・
ポストカード(注/「作品(男)」になっているものです)
2007年01月04日
火星人ヨサラバ(1)
↑クリックして拡大
・・・・・
火星人ヨサラバ(1)
1988
72.8×103cm
アクリル、紙、パネル
発表歴:1988 個展「火星人ヨサラバ」ギャラリーアートワッズ(東京)、2004 個展「中ザワヒデキの原点展:1980年代アクリル絵画」ギャラリーセラー(名古屋)
受賞歴:1989 JACA入選
個人蔵
・・・・・
中ザワヒデキが「中ザワヒデキ」と名前を使い始めた時代
・・・それが本人いわく「第一期」と呼ぶ、1983年から1989年のことです。
当時小学生か中学生くらいだった私には、
まったく世界が違うため“想像”なのですけど、
日比野克彦が出てきて〜
イラストレーションや商業美術といわれるものが流行というか勢力があった
・・・そんな時代だったと察します。
時代の影響、ポップな感覚はこの作品にも見え隠れしています。
連続する人々。
→このリズミカルな配置は、テクノ好きな中ザワさんらしいです。
赤系茶と青、そしてピンク、ときどき黄の色使い。
→それぞれは地味な色ですが、なぜか魅力的。
エスカレーターによる遠近法。
→今でこそ、長〜いエスカレーターは地下鉄や空港で見かけますが、
当時はどうだったのでしょうか。
(中ザワさん「これは新御茶ノ水駅のエスカレーターですよ」)
歩かない人は左に立つルールとか、まだ確立されていないようです。
人々の表情がある。
→最近よく見かける絵画に出てくる人は表情がないですよね、、、。
手前の人の向きが変だ。
→きっとこれ本人でしょ?
と、
バブルの80年代、楽しい日々を送っていた、
そんな中ザワさんの生活を感じさせてくれます。
今の時代にはないなぁ、こういう感覚!うらやましい!