第1回個展
2007年09月07日
ぼくセンソウ知らないんだけど
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ぼくセンソウ知らないんだけど
1984
25.8×36.3cm
アクリル絵の具、クレヨン、ボールペン、鉛筆、色鉛筆、油性インク、針金、紙シール、ボール紙、トレーシングペーパー、紙、パネル
発表歴:1986 個展「初個展」ギャラリーアートワッズ(東京)、2004 個展「中ザワヒデキの原点展: 1980年代アクリル絵画」ギャラリーセラー(名古屋)
掲載歴:雑誌「PENTHOUSE」1984年4月号(ページ数調査中)
個人蔵
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藤田「中ザワさん、初めての仕事ってどういうのですか」
中ザワ「初めて?イラストレーターとして初めての作品はこれだよ」
と出してくれたのが、本日の一品です。
「PENTHOUSE」という成人男性誌の巻頭頁、
ほぼ1ページを 埋めるイラストです。
私は「ホー」とため息をつきながら、自分のことを振り返りました。
今日夜、
大阪府立現代美術センターで初の座談会仕事をするのです。
ぜひいらしてね。
2007年07月12日
J.S.II
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J.S.II
1986
25.4×20.3cm
アクリル絵具、モデリングペースト、針金、紙、パネル
発表歴:1986 鈴木淳子個展「COINCIDENCE」玉椿(東京)、1986 個展「初個展」ギャラリーアートワッズ(東京)
行方不明
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**日本経済新聞朝刊での
中ザワヒデキの連載「滅失絵画 十選」掲載日と連動し、
「一日一品ブログ」では、
中ザワ作品の滅失ならびに行方不明作品を藤田千彩が紹介します。**
7月10日に紹介した「PORTRAIT J.S.」とセットのこの作品は、
行方不明になった原因も「PORTRAIT J.S.」と同じである。
「J.S.II」の白い部分は、最初、モデリングペーストが大量に盛られていた。
盛られすぎていたのでそこを切り取り、
切り取ったあとの跡地部分にアートワークを施したのが「J.S.II」となった。
では切り取った盛り上がり本体はどこにいったかというと、
「PORTRAIT J.S.」のまんなかに置かれて貼られ、レリーフ状の顔となった。
したがって「PORTRAIT J.S.」の顔と「J.S.II」の白い部分は同形同大である。
このブログでは、本作を探しています。
今後の展覧会の際に展示する、あるいは買い戻す用意があるので、ぜひご連絡ください。
この作品を熊本または他所で「見た」というかた、是非ご連絡ください。
または松本剛一さんの連絡先をご存じのかた、是非ご連絡ください。
宜しくお願いいたします。
2007年07月10日
PORTRAIT J.S.
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PORTRAIT J.S.
1986
51.5×72.8cm
アクリル絵具、モデリングペースト、針金、紙、パネル
発表歴:1986 鈴木淳子個展「COINCIDENCE」玉椿(東京)、1986 個展「初個展」ギャラリーアートワッズ(東京)
行方不明
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**日本経済新聞朝刊での
中ザワヒデキの連載「滅失絵画 十選」掲載日と連動し、
「一日一品ブログ」では、
中ザワ作品の滅失ならびに行方不明作品を藤田千彩が紹介します。**
レリーフ状、半立体になっているこの作品は、
昨日の「ゾーキンガケよ」と同じ、行方不明作品である。
中ザワが1984年に「第1回クレセントコンペ奨励賞」を受賞した際、
同じ奨励賞を取った鈴木淳子さんの個展に、友情出品を頼まれて制作したのがこの作品である。
手掛けたことのあまりないポートレートを、中ザワが試みた作品だった。
そのあと、中ザワの個展「初個展」ギャラリーアートワッズ(東京)の際、
ふらりとギャラリーにやって来た熊本市の松本剛一さんという方が、
「自分で店を始めるので置きたい」と購入。
2004年の個展「中ザワヒデキの原点展: 1980年代アクリル絵画」ギャラリーセラー(名古屋)の際、
作品借用のため連絡しようとしたところ、連絡先が分からず「行方不明」になってしまった。
このブログでは、本作を探しています。
今後の展覧会の際に展示する、あるいは買い戻す用意があるので、ぜひご連絡ください。
この作品を熊本または他所で「見た」というかた、是非ご連絡ください。
または松本剛一さんの連絡先をご存じのかた、是非ご連絡ください。
宜しくお願いいたします。
2007年05月09日
竹道
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竹道
1986
103×72.8cm
アクリル絵具、紙、パネル
発表歴:1986 個展「初個展」ギャラリーアートワッズ(東京)
Courtesy Gallery Cellar
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新緑が心地よい季節ですね。
ということで、そんな作品を見つけました。
1986年の「初個展」では、1983年以降のものをすべて出したそうですが、
その中で新作として発表した3点のうちのひとつが本日の一品。
ちなみに2月2日紹介の「渓流」もそのひとつ。
それまでは紙など貼り付けたりしていたのですが、
3点の作品では「絵具だけで描く」ことをしたんだそうです。
とくにこの作品ではパールの入った絵具を多用しています。
日本風な感じですよね〜。
見ていたらちょっと散歩したくなったので、行って来ます。
2007年04月23日
yの日々
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yの日々
1985
130.3×80.4cm
アクリル絵具、紙、カンバス
発表歴:1985 「はるのしんさく」茅場町くるくる、1986 個展「初個展」ギャラリーアートワッズ(東京)、2004 個展「中ザワヒデキの原点展: 1980年代アクリル絵画」ギャラリーセラー(名古屋)
Courtesy Gallery Cellar
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ある日、中ザワさんがDVDを貸してくれました。
一瀬晴美さんという人のアニメーション作品集です。
イラストの展覧会もするというので、さっそく友人のアニメーション作家さんと行きました。
新宿にあるギャラリーきらりで
一瀬晴美 「ハルちゃんの愉快なあしあと」展です。
「僕は第1回クレセントコンペで奨励賞だったんだけど、一瀬さんは銀賞だったんだ。
でも一瀬さんは2年前に44歳いう若さでガンで亡くなってしまった」
と中ザワさんから聞いていました。
展覧会会場で、経歴を見て「はっ」と思いました。
それは「竹橋エレヂイ」の発表歴にもある、
「はるのしんさく」茅場町くるくる
という文字を見たからです。
帰って中ザワさんにそのことを伝えると、
「だって僕が一瀬さんを茅場町くるくるの展示に紹介したんだよ」と言って、
中ザワさんが「茅場町くるくる」で出していた作品のひとつを教えてくれました。
それが本日の一品。
中ザワさんの大好きな赤い色に、
タイトルにも使われている「y」の字が散りばめられています。
中ザワさんは茅場町くるくるの展示だけでなく、
それ以降、イラストレーターになってからも一瀬さんと親しくしていたそうです。
一瀬晴美さんの展示は、今日までです。
2007年04月18日
窓
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窓
1984
103×36.4cm
アクリル、クレヨン、鉛筆、色鉛筆、ラシャ紙、パネル
発表歴:1986 個展「初個展」ギャラリーアートワッズ(東京)、2004 個展「中ザワヒデキの原点展:1980年代アクリル絵画」ギャラリーセラー(名古屋)
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すごい意外なものを見つけてしまいました。
中ザワさんが「女の子」を描いているのです。
案外、六本木とか清澄のギャラリーで見られるような現代風です。
たばこ吸って、うつろげなのが怖いんですけど、
影が赤いってのも、怖いです。
肩のあたりと腕の関節あたりで切れてるのも怖いです。
・・・女の子の体が切れてるように見えるのは、
板を2枚つなげていたり、紙を重ねているからなんだそう。
当時はホックニーの写真が流行ってて、その影響らしいです。
私としては、タイトルが「窓」、っていうのが一番怖いです。
2007年02月25日
朝顔が咲く時間
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朝顔が咲く時間
1984
72.8×103cm
アクリル、クレヨン、色鉛筆、紙、パネル
発表歴:1986 個展「初個展」ギャラリーアートワッズ(東京)、2000 個展 佐野画廊(香川)、2001 病院ギャラリー(愛媛)、2004 個展「中ザワヒデキの原点展:1980年代アクリル絵画」ギャラリーセラー(名古屋)
受賞歴:1984 第5回日本グラフィック展佳作
個人蔵
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本日25日、午後2時から、
愛知・岡崎市美術博物館で、
中ザワさんと岡崎乾二郎さんの対談が行われます。
岡崎は「「森」としての絵画」というタイトルの展覧会。
ということで、
中ザワさんは「脳内混色絵画」「脳波ドローイング」「異種画素配置」
を出品していますが、今日の一品では敢えて最初期のアクリル絵画を紹
介しましょう。
朝顔が咲く時間、ってラジオ体操するような時間帯ですよね。
格子になったネットにからまりながら、朝顔が咲いています。
向きもさまざま、あっちやこっちに咲き誇っています。
そうそうこんな形よ、という葉っぱも面白い。
そして何より、朝日のような赤い地色が目にしみるほど印象的。
中ザワさんによるとこの赤は、ルミナス・ローズという蛍光色を分厚く
塗り込めたものだそうです。
この作品は、私の好きな作品のひとつ。
こういった原点の作品があったうえで、
展示中の「脳波ドローイング」や「脳内混色絵画」がある。
中ザワさんの歴史の長さ、制作の幅広さを実感できますね。
2007年02月02日
渓流
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渓流
1986
103×72.8cm
アクリル絵具、紙、パネル
発表歴:1986 個展「初個展」ギャラリーアートワッズ(東京)
Courtesy Gallery Cellar
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「バカCG」の作品ばかり紹介してきたので、
ちょっと食傷気味になってしまいました。
ときには落ち着いたものでも・・・
と選んだ今日の一品。
「赤じゃないと絵じゃないとまで思っていた」というほど、
赤色が大好きだった、若かりしころの中ザワ青年。
やはり赤い絵具を使っています。
ごろごろした岩と川。
そういえば、美術三昧で、こんな自然は久しく見てないなあ。
アートとネイチャー。
ん?何か変なこと言っちゃったかも。
2007年01月18日
役者3昧
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役者3昧
1985
51.5×36.4cm
紙ボード、アクリル絵具、写植印画紙、クレヨン、鉛筆、色鉛筆、ボールペン
発表歴:1985 カセットブック「BICAN」掲載、1986 個展「初個展」ギャラリーアートワッズ(東京)、2004 個展「中ザワヒデキの原点展: 1980年代アクリル絵画」ギャラリーセラー(名古屋)
Courtesy Gallery Cellar
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中ザワさんの作品、と言ってもいろいろあるんだな。
毎日どれにしようか選んでいる藤田はつくづくそう思います。
今日紹介する「役者3昧」はマンガ形式。
発表歴にあるカセットブック「BICAN」というのは、
美缶編集部が出したカセットテープ+ビジュアル本だそう。
「カセットテープ」というところで“時代”を感じますが、
ビニールのパッケージに入って販売されていた、
ということが、ビニ本とか全盛期だったはずの“時代”を感じさせます。
(注/ビニ本というコトバをよく分かってない藤田は「イメージ」で使ってます)
とはいえ、
実際には中ザワさんが他数名と編集した自費出版本で、
大手書店等に置かれたらしい。
中ザワさんいわく
「僕はこれで写植の発注の仕方やデザインの仕方や
印刷屋との付き合い方を習得した。」
・・・写植ってコトバも“時代”ですねー。
カセットには、中ザワさんの作曲した曲、
「耳から回虫」(←中ザワさんがやってたバンド)の曲
とかも収録されていたそうです。
いずれにせよ、
この「役者3昧」は、
ちょっとおセンチでブルー入った具合が、
冬のけだるいうす曇りの午後、
そして、
今日の藤田の気持ちにぴったりなので選んでみました。
2007年01月15日
竹橋エレヂイ
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竹橋エレヂイ
1983
36.4cm×51.5cm
アクリル絵具、クレヨン、ボールペン、色鉛筆、針金、包装テープ、紙シール、化学繊維ネット、ジェルメディウム、紙ボード、ボール紙、トレーシングペーパー他
発表歴:1985 「はるのしんさく」茅場町くるくる、1986 個展「初個展」ギャラリーアートワッズ(東京)、2000 個展 佐野画廊(香川)、2001 病院ギャラリー(愛媛)
受賞歴:1984 第1回クレセントコンペ奨励賞
Courtesy Gallery Cellar
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(以下、藤田からのメールに中ザワさんが返信したものより)
> 先日、中ザワさんと竹橋の東京国立近代美術館に行きました。
> 閉館間際の夕暮れ時、中ザワさんはぼそっと「竹橋エレヂイ」とつぶ
> やきました。
> そう、こんな光景でしたね。
>
> 赤い色がとても印象的です。
> 夕焼けに染まる真っ赤な空。
> 皇居のお堀。
> 女のうつろな顔。
> 遠くに見える飛行船。
> 夕焼けに染まる魚。
> 倒れそうな杭。
>
> 真っ赤な色にだまされてしまいそうだけど、
> 本当は憂鬱で退屈な世界なのです、おそらく。
>
> 私の偏見ですが、竹橋という場所はぱっとしません。
そりゃおめえの偏見だろっ
> 新聞社と美術館があるT字路以外、特になにもないし。
> なんのために行くのかというとその2つの場所にしか行くとこないし。
いまの藤田さんにとってはそうかもしれないが
千葉の大学に入りたての若造には、東京にわざわざ出て、
アートに接する楽しい場所でした。
いやいや、神奈川の大船の高校生のときから、東京に
わざわざ出て、美術なるものに接する楽しい場所でした。
だから僕にとってはとてもぱっとした場所でしたよ
> だからこの哀愁がピッタリなんだと思います。
> 切ないですね・・・。
哀愁 は 夕焼けに対するもので、
つまりロマンチックな夕焼けのエレジーの
つもりでした。