文字座標型絵画
2007年06月12日
二九字二九行の文字座標型絵画第二番
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二九字二九行の文字座標型絵画第二番
1997
130×130×20cm(注)
塩ビフィルム、ライトボックス(注)
撮影:黒川未来夫
発表歴:1997 個展 ギャラリーNWハウス(東京)、2000「メディアセレクト2000」名古屋港・ガーデンふ頭20号倉庫、2001「メッセージ/言葉の扉をひらく」せんだいメディアテーク
掲載歴:雑誌『エル・アール』LR編集部 1999年1月号 (vol. 11) pp. 10-18、雑誌『ブルータス』マガジンハウス 2002年9月1日号 (vol. 23-16 no. 508) p. 74
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文字座標絵画というシリーズは、
文字のひとつひとつが色彩における画素に見立てられ、
規則正しく並べられている作品です。
んー、ちょっと難しいぞ。
わからん、なんじゃこりゃ。
と言いたくなりますが、もうちょっと眺めてみましょう。
中ザワ「一番右上の漢字「堯」、その左隣「齣」、その下「黶」、その下「麪」、その右「鸛」、
・・・というふうに漢字だけ追うと、この平面内でぐにょぐにょと曲がりつつ
一番左上の「瑤」まで一本道になっているの、わかりませんか?」
藤田「はい、追えます、追えます・・・・」
中ザワ「JIS第二水準のコード表から規則的に取り出した漢字を、
ヒルベルト曲線という平面を埋め尽くすフラクタルな曲線に似せた方法で、
右上から左上まで一本の左右対称の一筆書きのような折れ線として並べてるんだ」
藤田「ん?ん?ん?・・・ヒルベルト曲線?
そのぐにょぐにょがヒルベルト曲線っていうんですか?」
中ザワ「僕もこの作品のために、ヒルベルト曲線について勉強したんだけどね」
藤田「あ、ああ・・・。その間に、ひらがなが入ってるのは追えるんですけど」
中ザワ「あ・・・い・・・・う・・・ほらね」
藤田「順番に入って・・・る?!」
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(注)
上記とサイズ、素材が異なる「二九字二九字の文字座標型絵画第二番」が、他3点あります。
・65×65×20cm
塩ビフィルム、ライトボックス
……これは同じものが2点あります。
・120×120cm
チバクローム
北九州市立美術館蔵
ポートフォリオ
2007年05月07日
三一字一七行の文字座標型絵画第六番のイ
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三一字一七行の文字座標型絵画第六番のイ
2004
60×35cm
顔料インク、紙
撮影:藤田千彩
発表歴:2004 「松澤宥と九つの柱 九相の未来−パーリー・ニルヴァーナに向かって」広島市現代美術館、2005 「大KATHY展〜謎の指令〜」リトルモア・ギャラリー(東京)、2007 「ART LAN@ASIA」横浜ZAIM(開催中・5月13日まで)
Courtesy Gallery Cellar
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連休終わっちゃったし、月曜だし。
美術館休みだし、ギャラリーは何やってるのかな。
調べるのめんどくさいな。
・・・そんなアートファンの方に朗報です。
今日も横浜ZAIMはやってます、中ザワさんの作品も見られます。
中ザワさんに
「タイトルにある“31”と“17”に意味はあるんですか」
と聞いたところ「ない」との答え(意外!)。
広島での展示で、紙のサイズが決められて、
だいたいの(多くもなく少なくもなくという)比率と文字数になるよう、
意図から外れない程度に手を打つよう、
と割り出した行数と字数だそうです。
この写真じゃ、分かりにくいって?
じゃ、やっぱり現物を見にZAIMに行かなきゃ!
2007年04月29日
三一字一七行の文字座標型絵画第六番のホ
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三一字一七行の文字座標型絵画第六番のホ
2004
60×35cm
顔料インク、紙
撮影:藤田千彩
発表歴:2004 「松澤宥と九つの柱 九相の未来−パーリー・ニルヴァーナに向かって」広島市現代美術館、2005 「大KATHY展〜謎の指令〜」リトルモア・ギャラリー(東京)、2007 「ART LAN@ASIA」横浜ZAIM(開催中・5月13日まで)
Courtesy Gallery Cellar
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4月22日の一品「三一字一七行の文字座標型絵画第六番のト」を紹介しましたが、
本日の一品は同じシリーズの「三一字一七行の文字座標型絵画第六番のホ」です。
写真は私藤田が、写り込みする画面を気にしながら正面から撮ってみました。
今日は中ザワさんが、出品作家の澤田サンダーさんと正面からバトルトークします。
会場はこの作品が展示されている、横浜ZAIMで、
本展をキュレーションした増山麗奈さんが司会だそうです。
タイトルは「脳波VS母乳」だってさ。
展示もまだやってます。
ぜひ行ってみてください。
2007年04月22日
三一字一七行の文字座標型絵画第六番のト
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三一字一七行の文字座標型絵画第六番のト
2004
60×35cm
顔料インク、紙
撮影:藤田千彩
発表歴:2004 「松澤宥と九つの柱 九相の未来−パーリー・ニルヴァーナに向かって」広島市現代美術館、2005 「大KATHY展〜謎の指令〜」リトルモア・ギャラリー(東京)、2007 「ART LAN@ASIA」横浜ZAIM(開催中・5月13日まで)
Courtesy Gallery Cellar
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実は、昨日からもう一つ、中ザワさんの作品が見られる展覧会が始まっています。
画家の増山麗奈さんがキュレーションし、
中国、韓国、日本のアーティストの作品を並べた「ART LAN@ASIA」。
藤田も展示されている写真を撮影するために、さっそく行ってきました。
中ザワさんが出しているのは「三一字一七行の文字座標型絵画第六番」。
8点並んでおり、
「三一字一七行の文字座標型絵画第六番のイ」
「三一字一七行の文字座標型絵画第六番のロ」
「三一字一七行の文字座標型絵画第六番のハ」
・・・「三一字一七行の文字座標型絵画第六番のチ」
というように
「三一字一七行の文字座標型絵画第六番」というタイトルに
「イ・ロ・ハ・ニ・ホ・ヘ・ト・チ」がついています。
本日の一品は「三一字一七行の文字座標型絵画第六番のト」です。
そういえば広島での展示も実は見ている藤田ですが、
この作品はその広島での展示向けのサイズ、個数だそう。
確か広島での展示は、薄暗い中に作品がぼんやりあった、としか覚えてません。
なので、改めて光の下でちゃんと見てきました。
他の文字座標の作品より、漢字の並びを解釈するのが難しいと思ったのですが、
並んでいる8点の中でもこの一品は、
「草かんむり」と「木へん」の中に「虫へん」があるから、分かりやすいかも。
一緒に行ってた友達も「離れたほうがキレイ!いいじゃんこれ!」って言ってました。
自然に漢字とひらがなで自然を感じてしまうなんて、ステキ。
私は作品のタイトルも気になってしまった・・・。
なぜ「三一字一七行の文字座標型絵画第六番“のト”」
みたいな名前の付け方をしているのでしょうか???
「8点で一つのシリーズだから」と中ザワさん。
そうなんだ。。。ふーん。。。
2007年01月11日
二三字三九行の文字座標型絵画第三番
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二三字三九行の文字座標型絵画第三番
1999
97×162×30cm
塩ビフィルム、ライトボックス(注)
撮影:黒川未来夫
発表歴:1999 個展 ギャラリーNWハウス(東京)、2000 「メディアセレクト2000」名古屋港・ガーデンふ頭20号倉庫(注)
Courtesy Gallery Cellar(注)
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「文字座標型絵画」は、第一番から第六番まであります。(2007年1月現在)
いずれも、文字が色彩として、規則にのっとって配置されています。
今回は、中でも分かりやすい「第三番」を紹介します。
見慣れない漢字も並びますが、
それらは「さんずい」と「さかなへん」の漢字です。
中ザワさんは文字を配列するとき、
第一番や第二番と同じ文字の大きさになるよう、
M100号の画面を23字×39字に分割しました。
そのマス目に文字を並べていきます。
「素数(1とその数以外に約数がない正の整数)を空白」
というルールを決めました。
つまり、日本語の文章のように右上から、2、3、5、7・・・の目を空欄にしています。
右上から左上にかけての横一列に、
「さんずい」の文字を、
JISコード表の番号の大きい順(画数が多い順)に漢字を並べました。
画数が多いと、遠くから見ると濃く見え、画数が少ないと、薄く見えます。
上から下にかけて、濃淡があるように感じるわけです。
縦も右上から、同じくJISコード表から「さかなへん」の漢字を入れました。
「さかなへん」は、「さんずい」に比べ、数が少ないため、
中ザワさんは、画数の多い順に入れたあとに、逆回転で入れ、
さらにまた画数の多い順に入れました。
すると!うまい具合に「魚」という字で終わったそうです!
ギョッ?うぉっ!・・・ですね。
そして、ひらがなを50音図の表から、
規則的に、将棋の「桂馬」の飛び方の要領で入れていきました。
「さんずい」と「さかなへん」ということで、
まるで海を描いたような“具象絵画”なのです。
ちなみに海=marineなので、サイズもM100号・・・。
きらめく海のように見えませんか?
ポートフォリオ
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(注)
上記のサイズ、素材が異なる《二三字三九行の文字座標型絵画第三番》が、
他2点あります。
・66.2cm×109.7cm×22cm
塩ビフィルム、ライトボックス
ギャラリーNWハウス蔵
・92×162cm
チバクローム
北九州市立美術館蔵