金額
2007年07月20日
17296枚の硬貨から成る18416円 (金額第一五番)
↑クリックして拡大
・・・・・
17296枚の硬貨から成る18416円 (金額第一五番)
2001
45×60×6cm
硬貨、ポリエチレン袋
撮影:高木茂樹
発表歴:2001 個展「金額」ギャラリーセラー(名古屋)、2001 NCAF(名古屋)、2001 「ダイアローグ2001」カナダ大使館ギャラリー(東京)、2004「財飾兼備−ART&MONEY」ベイスギャラリー(東京)
Courtesy Gallery Cellar
・・・・・
中ザワさんから
「東京造形大学の清水哲朗ゼミ主催のシンポジウムにゲストで出る」
と連絡が来たので、行って見ました。
清水ゼミの皆さんは仲も良さそうだし、しっかりしてる関係だと思いました。
そこで思い出したのが「友愛」って言葉です。
友情とか、愛情とか、数学とか苦手な藤田にはよく分かりませんが、
2007年1月6日に紹介した220枚の硬貨から成る284円 (金額第一二番)や
2007年1月7日に紹介した308620枚の硬貨から成る389924円 (金額第三五番)
で使われた「友愛数」という言葉もついでに思い出したわけです。
今回の作品タイトルに「17296」と「18416」の数字がありますね。
これが何かというと、
17296の(17296を除いた)約数・・・1、2、4、8、16、23、46、47、92、94、184、188、368、376、752、1081、2162、4324、8648
これらを足すと18416になります。
そこで18416(18416を除いた)の約数・・・1、2、4、8、16、1151、2302、4604、9208
これらを足すと17296になるのです。
こういう関係のことを「友愛数」といいます。
やっぱり難しいわ・・・と藤田に、中ザワさんが一言。
「僕は別に友愛数ということが一番言いたくてこの作品を作ったわけじゃない。
「金額」シリーズの一番め「1107枚の硬貨から成る20523円(金額第一番)」のときは、
たくさんの硬貨を平面に固定して並べてたのだけど、
平面じゃなくても、固定されてなくても、たくさんの硬貨!!
ということが、一番言いたいんだよ。だから袋に入れたんだ!」
え!そういう効果を狙ってんたんだ、この硬貨!
ポートフォリオ 「金額第一二番〜第一八番」組成表
2007年06月23日
492枚の硬貨から成る7860円 (金額第六番)
↑クリックして拡大
・・・・・
492枚の硬貨から成る7860円 (金額第六番)
2001
硬貨、針金
発表歴:2001 個展「金額」ギャラリーセラー(名古屋)
Courtesy Gallery Cellar
・・・・・
なぜかいま、お財布が小銭だらけです。
と思い出したのが、本日の一品。
金額シリーズは、中ザワさんの方法時代の作品で、もっとも数が多いシリーズ。
藤田「こんな形状のものもあるんですね」
中ザワ「内輪では「ネックレス」と呼んでいます。
ちなみにビニル袋のものは「枕」と内輪で呼んでいます」
どうやって作ってるかというと、
五円玉と五十円玉を一定の規則で一列に並べて針金に通し、
針金の両端を接合して閉じたわっかにしたんだそう。
聞くと簡単そうです。
でもいくら小銭持ちとはいえ、
私には、492枚もつなげるほど持続力がない、と思いました。
2007年03月14日
19235枚の硬貨から成る41193円 (金額第二四番)
↑クリックして拡大
・・・・・
19235枚の硬貨から成る41193円 (金額第二四番)
2002
硬貨、接着剤、布
発表歴:2003「VOCA展2003 現代美術の展望-新しい平面の作家たち」上野の森美術館、ほか
受賞歴:VOCA展2003 奨励賞
第一生命保険相互会社蔵
・・・・・
今日は上野の森美術館では「VOCA2007」のシンポジウム&内覧会です。
一般公開は明日15日からですが、
藤田はいちおプレスなので今日見に行こうかな〜と思ってます。
「VOCA展」とは・・・
40歳以下の若手作家支援を目的とした、平面作品の展覧会。
審査員が選考委員を選び、選考委員が作家を推薦、
作家が出した作品を審査員が審査してVOCA賞、奨励賞などを選ぶ、
というユニークなシステムを取っているのが特徴です。
2003年のVOCA展では、中ザワさんが奨励賞を取ったんですよね。
それが、本日の一品です。
私、どこに展示されていたかさえも、覚えています。
というか、その前年、私は美学校の仲間たちと中ザワさんとで旅行に行ってました。
愛媛の僻地で、映像作家の大木裕之さんと出会い、
大木さんと中ザワさんは「VOCAに出す」話をしていました。
そのあと、中ザワさんはニューヨークに行ってしまいました。
当時私は中ザワさんのことを「遠い場所に行ってしまった」と思い、
毎月の「方法メールマガジン」が送られてくることだけでしか、
中ザワさんのことを思い出すことはありませんでした。
VOCA展を上野の森美術館に見に行ったとき・・・。
階段を昇り、軽くらせん状になっている2階の会場をくるりと回り、
もうひとつの階段を下りるまでの間にあった中ザワさんの作品を見て、
夏の記憶を思い出しました。そして、叫び声を上げました。
(左手の隣の隣に大木さんの作品があったのも覚えてます)
幕のような大きな布に張られた硬貨、その量と大きさには圧巻!!
奨励賞だからとかなんだとか言うのではなく、これはヤラレたと思いました。
中ザワさんの「金額」シリーズの中でも、この一品は傑作のひとつだと思います!!
・・・ちなみにそのあと、私の地元にある大原美術館でも見た記憶アリ。
今年のVOCA展も楽しみですね。
VOCA2007 チサイノボヤキ
2007年02月06日
1107枚の硬貨から成る20523円(金額第一番)
↑クリックして拡大
・・・・・
1107枚の硬貨から成る20523円(金額第一番)
2000
62.5×88.8cm
硬貨、ホチキス、硬化ビニルケース
発表歴:2000 個展 佐野画廊(香川)、2001 病院ギャラリー(愛媛)
・・・・・
打ち合わせをするため、香川・佐野画廊の佐野さんにお会いました。
佐野さんについては、去年の「美術手帖」8月号で取材させていただいてます。
すっごい田舎のご自宅を画廊にしたり、
もうないけど愛媛の元・病院を展示スペース「病院ギャラリー」にしたり。
ネオ・ダダから中ザワさんのような現代美術作家までを扱う、
地方で活発に面白いことをしている佐野さんです。
今日の一品は、そんな佐野さんが運営している(していた)、
「佐野画廊」および「病院ギャラリー」でしか発表していない作品です。
私はこの「病院ギャラリー」に行ったことがあります。
たしか元・整形外科で、手術台の上に四谷シモンさんの作品があって
ちょっとホラーだったり、
篠原有司男さんの作品がボンッボンッと並べられて
贅沢だなーって感じたり、
中ザワさんのアクリル絵画がだーっとあって
人に歴史アリだなと思った記憶アリ。
そんな中にこの「金額第一番」があったのでした。
左下から右に向かって見てください。
1円・5円・1円・5円・10円・5円・1円・5円・1円・・・
おおっ!規則的だぁぁ!と驚きながらも、
つい「贅沢!」と思ってしまう、ビンボー性の藤田でした。
ポートフォリオ
2007年01月07日
308620枚の硬貨から成る389924円 (金額第三五番)
↑クリックして拡大
・・・・・
308620枚の硬貨から成る389924円 (金額第三五番)
2004
ベイスギャラリーでの展示
発表歴:2004「財飾兼備−ART&MONEY」ベイスギャラリー(東京)
・・・・・
皆さん、朝日新聞日曜版「目の冒険」は見ていただけましたか?
この作品「308620枚の硬貨から成る389924円 (金額第三五番)」も、
紙面に掲載されています。
一見、ごみを壁ぎわに掃いて寄せたように見えますが(←失礼)、
大量の硬貨が床に置かれている“贅沢”な作品です。
新聞によると(つまり中ザワさんいわく)、
「18世紀にオイラーが発見した友愛数」をもとにした作品とのこと。
「友愛数(ゆうあいすう)」については、紙面で学んでもらうとして、
数学をアートにしちゃうなんて、知的だわ!と思う私。
「目で見るだけでは『?』でも脳で視れば『!』なアート」の通り、
今までよく分からなかったことがこういう形で理解できる!
っていうの面白いなぁー!
と、つくづく感じる今日の新聞記事でした。
ちなみに、この作品は、
千葉成夫著「未生の日本美術史」でも紹介されています。
ぜひご高覧くださいませ。
中ザワヒデキポートフォリオ
2007年01月06日
220枚の硬貨から成る284円 (金額第一二番)
↑クリックして拡大
・・・・・
220枚の硬貨から成る284円 (金額第一二番)
2001
9.5×13×2cm
硬貨、ポリエチレン袋
撮影:高木茂樹
発表歴:2001 個展「金額」ギャラリーセラー(名古屋)、2001 NCAF(名古屋)、2001 「ダイアローグ2001」カナダ大使館ギャラリー(東京)
個人蔵
・・・・・
突然ですが、お知らせです。
朝日新聞日曜版の明日発売分より、
中ザワヒデキが「目の冒険」というコーナーで
「脳で視(み)るアート」というタイトルの連載がはじまります。
記念すべき第一回目は・・・
中ザワさんの作品が2つ載るそうです。
今日は「220枚の硬貨から成る284円 (金額第一二番)」を紹介します。
タイトルにもあるとおり、ポリエチレンの袋に小銭が詰まってます。
昔これ見たとき「こんな枕で寝てみたい」って言ってた人がいましたが(笑)。
220とか284とか意味があるんでしょうか?
・・・ええ、あります。
そこは理数系の中ザワさんのこと、
「ピタゴラスいわく」という説明でこの作品を解説!しているのが
明日の朝日新聞日曜版「目の冒険」です。
ぜひチェックしてみてね!
中ザワヒデキポートフォリオ