2007年06月

2007年06月30日

鳩の目TV17「景色も料理もウマそうで、フランスかぶれ至福の日々」のためのイラスト

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鳩の目TV17「景色も料理もウマそうで、フランスかぶれ至福の日々」のためのイラスト
1995
205×142ピクセル
雑誌「鳩よ!」マガジンハウス 1995年8月号 p.37
Courtesy Gallery Cellar

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「美術手帖」8月号(来月発売!)の取材で、
今週は美術館についてるレストランに何軒か行ってきました。
その中で私、お気に入りにしたいレストランを発見。
どこかは書けませんが、
フレンチだけどシンプルな盛り付けで、
そんなに濃厚じゃなくて、素材の味とソースの味が見事に溶けて・・・
キャー!!私もとけちゃいそう・・・
見える庭も素敵だし、レストランの室内もロマンチックで・・・
と、思い出しただけで、身も心ももだえてしまいます。

と書きながら、
フランスに行ったことがないので、本当のフレンチの味を知らない私。
生まれ変わったら美術ライターじゃなくて、グルメライターになりたい!
そう願うのでした。


2007年06月29日

Six Rox

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Six Rox
1986
51.5×72.8cm
アクリル絵具、紙、パネル
発表歴:1986 個展「Effie, Madge, Tina, Louise, Betty, Anita」ギャラリーアートワッズ(東京)
現存せず(廃棄)

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**日本経済新聞朝刊での
中ザワヒデキの連載「滅失絵画 十選」掲載日と連動し、
「一日一品ブログ」では、
中ザワ作品の滅失ならびに行方不明作品を藤田千彩が紹介します。**

第2回個展の出品作は2点の小品を除く全てが個展のための新作だった。
さらにその新作群のなかには、いくつかのグループがあった。

昨日紹介した「Effie, Madge, Tina, Louise, Betty, Anita」には、
(1)〜(3)のグループがあった。
それとは別で「Pagoda Half」、「Six Rox」、「Seaside Girls」の3点が、
同じサイズ(B2横)のグループとして、並べて出品された。
本日の一品は、この2番目の作品「Six Rox」である。

中ザワによると、この作品は観念的な風景画らしい。
第2回個展に出品された新作ではない小品2点の1つで、
一日一品ブログでは未紹介の「Anonymous Riverside」と配置や構図が似ている。
画面に見られる緑色は草原が広がるさまを表現し、
その真ん中に細い川が流れている。
画面下部、川の手前には8つの石が環状に並べられている。
画面中部、川の向こうには大きな岩が6つ、置かれている。
それぞれの岩には影のようなものが付けられており、
そのなかに「岩」という漢字が隠されている。
草原の向こう、画面上部は右と左が山の斜面、中央は空を表現している。

6つの大きな岩、英訳するとsix rocksから、
同じ音で、スペルを似せ、作品タイトルは「six rox」と名づけられた。
(ちなみに第2回個展に出品された作品のタイトルはすべて英語である)

本作は個人蔵だったが、いくつかの要因が重なり、廃棄された。
2004年の個展「中ザワヒデキの原点展: 1980年代アクリル絵画」ギャラリーセラー(名古屋)の際、
出品のため借用しようとした際に滅失の事実が明らかとなった。

この画像のもとである、当時撮影された作品写真を見ながら、
饒舌な説明をする中ザワに、私は下を向いてしまうのであった。


2007年06月28日

Effie, Madge, Tina, Louise, Betty, Anita (1)

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Effie, Madge, Tina, Louise, Betty, Anita (1)
1986
91×116.7cm
アクリル絵具、カンバス
発表歴:1986 個展「Effie, Madge, Tina, Louise, Betty, Anita」ギャラリーアートワッズ(東京)、1987 「5 presents 5」錦糸町西武・スタジオ錦糸町(東京)
現存せず(震災)

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**日本経済新聞朝刊での
中ザワヒデキの連載「滅失絵画 十選」掲載日と連動し、
「一日一品ブログ」では、
中ザワ作品の滅失ならびに行方不明作品を藤田千彩が紹介します。**

1995年の阪神・淡路大震災は、さまざまな悲しみを私たちに与えてくれた。
東京在住の中ザワだが、この災害によって作品を失っている。

Effie、Madge、Tina、Louise、Betty、Anitaの顔が描かれている本日の一品は、
第2回個展のタイトルにも使われている。
画家のT氏が購入し所蔵していたが、1995年の阪神・淡路大震災で損壊し廃棄された。
2004年の個展「中ザワヒデキの原点展: 1980年代アクリル絵画」ギャラリーセラー(名古屋)の際、
出品のためT氏から借用しようとした際に滅失の事実が明らかとなった。

当時中ザワが好きだった、 B-52'sの「52 Girls」という曲に出てくる歌詞から、
「Effie, Madge, Tina, Louise, Betty, Anita」という個展のタイトルがつけられた。
そして「Effie, Madge, Tina, Louise, Betty, Anita」という
同名でかつ同サイズ、同型のサイズの作品が3点作られた。
発表当初は番号はふられてなかったが、のちに(1)、(2)、(3)とつけられた。
「Effie, Madge, Tina, Louise, Betty, Anita (1)」は、
3作品の中では一番最初に完成し、
第2回個展の出品作品の中でも、一番表に出したい作品のひとつとして制作された。
ちなみに、美術手帖の展覧会情報欄(1987年1月号p.216)には、
本作の小さなモノクロ図版が掲載されている。

中ザワによると、
実物でないと分かりにくい部分も多いが、
濃い緑色を主体としたさまざまな色を塗り重ねた、マチエール豊かな作品、とのこと。

この画像で分かるように、画面上には曲線も見られる。
画面のイメージとしては、抽象画であるが、曲線は地平線にも見ることができよう。

これを機に、中ザワは線に対する興味を追求することとなった。
「「CLICK STUDY 001〜009」より 008 母をたずねて30000ドット」
単一曲線のシリーズ脳波ドローイングのシリーズにつながっていると思われる。

(余談だが府中市美術館公開制作室「脳波ドローイング」のとき、
 脳波助手である私が操作していた脳波計の頭上に、
本作品の写真の大判紙焼きが貼ってあった。
 中ザワによると、脳波ドローイングが線を意識したものであったため、
演出のひとつだったとのこと)

Effie、Madge、Tina、Louise、Betty、Anitaの顔それぞれに影のようなものがある。
同時期的に描かれ、同じく第2回個展で発表された、
「Pagoda Half」(一日一品ブログでは未紹介)や「Six Rox」(明日紹介予定)
にも影が付いており、同じ流れを汲むものと見受けられよう。


2007年06月27日

鳩の目TV24「琵琶片手に時代劇の王道を一直線。朝霞清三郎がいい」のためのイラスト

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鳩の目TV24「琵琶片手に時代劇の王道を一直線。朝霞清三郎がいい」のためのイラスト
1996
170×151ピクセル
雑誌「鳩よ!」マガジンハウス 1996年3月号 p.25
Courtesy Gallery Cellar

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最近お金も時間も惜しいなあ、って思うことが多いです。
もともとケチな性格でもあるのだけど、
ちょっとでもお金がお財布にあったり、時間に余裕があると、
逆にあせってしまいます。

おごれる者久しからず。

そういうことを実感することもないんですけど、
心に留めて生きたいものですわ。

・・・ところで「朝霞清三郎」って誰?


**明日の予告コーナー**
明日6月28日から、
中ザワさんが日本経済新聞に「滅失絵画 十選」という連載を開始します。
掲載曜日は月・火・木・金で、10回シリーズです。
一品ブログもこの連載日にあわせて、特別バージョンでお届けします。
お楽しみに!

2007年06月26日

不良少年のパソコン学再び第15回「速い」のためのイラスト

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不良少年のパソコン学再び第15回「速い」のためのイラスト
1994
480×580ピクセル
雑誌「ASAhIパソコン」朝日新聞社 1994年8月15日/9月1日合併号 (no.133) p.149
Courtesy Gallery Cellar

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パソコン用語の説明をする「不良少年のパソコン学再び」ですが、
パソコンで「速い」ってどういう意味だろう?
と思い、中ザワさんから借りたままの掲載誌のファイルを読みふけってました。

あ、読み込み速度とか、容量のせいで重く(=遅く)なったりとか、
そういうことに対する「速さ」ね。
誰もがきっと経験あることでしょう。

そういえば去年、府中市美術館「脳波ドローイング」で、
脳波のことを教えてくれた先生が、
「携帯電話のボタンを押して文字が画面に現れるまでの時間を脳が認知する速度」
を研究してる、って言ってたっけ。
ボタンを押して画面に出るまでの時間が、
0.1秒だかそういう時間の差異だけで、
脳は「速い!」「遅い!」とか思ってイライラするんだそうですよ。

私のパソコン、最近うーうーうなって重くて開くの遅くてイライラ。
少しでも速くなってほしいんだけど、もう寿命かなぁ。


2007年06月25日

正六面体型回路第二番

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正六面体型回路第二番
2002
電球、コード、電池
発表歴:2002 個展「回路」ギャラリーセラー(名古屋)
Courtesy Gallery Cellar

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2月24日に紹介した正八面体型回路第三番と同じシリーズ。

前回の「正八面体」が理解できなかった藤田ですが、
今回の「正六面体」は「立方体」って、分かったゾ!とエラそーに言ってる場合じゃないですね。

この画像だと電球はひとつしか光ってないように見えますが、
理論上では全部光っているそうです。
でも写真に写らないくらいの明るさらしく、
中ザワさんは「抵抗がナントカカントカ」って言ってました。

私、それを聞きながら思い出したことがあるのです。
小2のとき、私の小学生史上「45点」というひどくサイテーな点数のテスト、
こういう乾電池の配列で取ったってことを!
「正八面体」だか「正六面体」だかも理解しきれてない私の脳みそは、
乾電池の直列つなぎとかも理解できないのでした・・・。

ポートフォリオ 正六面体型回路第二番(配線図とギャラリーセラーでの展示風景) 方法 第17号


2007年06月24日

鳩の目TV34「バラエティに寄っても、彼らは時代劇スターだ」のためのイラスト

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鳩の目TV34「バラエティに寄っても、彼らは時代劇スターだ」のためのイラスト
1996
170×151ピクセル
雑誌「鳩よ!」マガジンハウス 1997年1月号 p.25
Courtesy Gallery Cellar

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実は最近
「新しい雑誌を作るので協力してください」
という連絡がありました。
過去にいろいろ書いたものをファイルにして、
担当の方へ持って行って見てもらいました。

そういえば春先に「美容」の仕事をさせてもらいました。
文章書くという行為は同じなのだろうけど、
やっぱり普段から知識がないのでうまく書けなかったなあ、
とそのファイルを見ながら思い出しました。

このイラストは、
時代劇俳優の人がバラエティーに出てもね・・・、
という内容に添えられたイラスト。

私はいまのところ美術だけで食べていってますけど、
同じ「美」がつく違うジャンルもやってみなくてはいけないのかもしれません。
「もうヤダァ〜」
って、私もすぐ弱音はいちゃうかもね。


2007年06月23日

492枚の硬貨から成る7860円 (金額第六番)

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492枚の硬貨から成る7860円 (金額第六番)
2001
硬貨、針金
発表歴:2001 個展「金額」ギャラリーセラー(名古屋)
Courtesy Gallery Cellar

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なぜかいま、お財布が小銭だらけです。
と思い出したのが、本日の一品。

金額シリーズは、中ザワさんの方法時代の作品で、もっとも数が多いシリーズ。
藤田「こんな形状のものもあるんですね」
中ザワ「内輪では「ネックレス」と呼んでいます。
ちなみにビニル袋のものは「枕」と内輪で呼んでいます」

どうやって作ってるかというと、
五円玉と五十円玉を一定の規則で一列に並べて針金に通し、
針金の両端を接合して閉じたわっかにしたんだそう。
聞くと簡単そうです。
でもいくら小銭持ちとはいえ、
私には、492枚もつなげるほど持続力がない、と思いました。



2007年06月22日

JAPAN LIFEイベントのための3Dイラスト「4d」(注)

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JAPAN LIFEイベントのための3Dイラスト「4d」(注)
1993
709×946ピクセル

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2007年6月4日の一品大阪の皆さんこんにちは(原画)のJAPAN LIFEビルで、
当時行われたイベントのためのイラストです。

昨日のだったら、ゴミ箱から顔を出しているところとか、
今日のだったら、カタツムリやイモムシとか、
中ザワさんが今まで描いてきたモチーフが並んでます。
もちろん、「大阪の皆さんこんにちは」の顔もたくさんありますね。

(注)
この「4d」には、絵柄が同じで飛び出し方のちがうバージョンが
計4点あります。
「4a」「4b」「4c」「4d」

2007年06月21日

JAPAN LIFEイベントのための3Dイラスト「3c」(注)

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JAPAN LIFEイベントのための3Dイラスト「3c」(注)
1993
709×946ピクセル

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2007年6月4日の一品大阪の皆さんこんにちは(原画)のJAPAN LIFEビルで、
当時行われたイベントのためのイラストです。


赤青メガネで、立体的に見えますか?
イベント開催当時は、ビルのいろんな場所にこれらのイラストがあり、
「どれが一番浮き上がって見えるか」というクイズをしていたそうです。

(注)
この「3c」には、絵柄が同じで飛び出し方のちがうバージョンが
計4点あります。
「3a」「3b」「3c」「3d」

2007年06月20日

JAPAN LIFEイベントのための3Dイラスト「2b」(注)

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JAPAN LIFEイベントのための3Dイラスト「2b」(注)
1993
709×946ピクセル

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2007年6月4日の一品大阪の皆さんこんにちは(原画)のJAPAN LIFEビルで、
当時行われたイベントのためのイラストです。


昨日作った赤と青のフィルムで作ったメガネを準備してください。
比較的今日は見やすいと思いますが、立体的に見えますか?

(注)
この「2b」には、絵柄が同じで飛び出し方のちがうバージョンが
計4点あります。
「2a」「2b」「2c」「2d」


2007年06月19日

JAPAN LIFEイベントのための3Dイラスト「1a」(注)

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JAPAN LIFEイベントのための3Dイラスト「1a」(注)
1993
709×946ピクセル

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2007年6月4日の一品大阪の皆さんこんにちは(原画)のJAPAN LIFEビルで、
当時行われたイベントのためのイラストです。

さあ皆さん、赤と青の透明フィルムを用意してください。
いまどきどこで買えるんでしょう、という疑問はさておき、
用意できたら左が赤、右が青のフィルムでメガネを作ります。
準備できましたか?
装着してこのイラストを見てください。

おおおっ・・・!立体!
見えたら次の段階ですよー!

(注)
この「1a」には、絵柄が同じで飛び出し方のちがうバージョンが
計4点あります。
「1a」「1b」「1c」「1d」


2007年06月18日

不良少年のパソコン学再び第9回「クリックする」のためのイラスト

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不良少年のパソコン学再び第9回「クリックする」のためのイラスト
1994
480×580ピクセル
雑誌「ASAhIパソコン」朝日新聞社 1994年5月15日号 (no.127) p.101
Courtesy Gallery Cellar

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クリックする。
敢えて取り上げることもない、
パソコン操作上では当たり前のこの行動。

ふと思い出しました。
大学の卒論を書くために、バイトして買ったワープロ(笑)。
マウス付きもあった。
なんじゃそれは・・・と思ったものです。
てゆうか、パソコンはそんな頃より前にあったのだけど。

マウスがないと、パソコンは使いにくいですよね。
そして、クリック、ダブルクリックをすることで、
いろんなものが見えたりするわけですもの。

いまさらと思ったけど、大切、大切。


2007年06月17日

papaは雲の中でも傘をさす

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papaは雲の中でも傘をさす
1984
51.5×72.8cm
アクリル絵の具、ジェッソ、鉛筆、油性ペン、色紙、トレーシングペーパー、ケント紙、パネル
発表歴:1984 千葉大学祭美術研究会展、1984 「千葉県大学美術連盟展」千葉県立美術館、2004 個展「中ザワヒデキの原点展:1980年代アクリル絵画」ギャラリーセラー(名古屋)
個人蔵

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父の日ですね。
本日の一品も父の日ネタです。

かわいい!
サングラスをかけて、papaと「ぽく」がいます。
FUNKAする浅間山、山の上ホヲテル、MOUNTAIN、CLOUD、
とpapaとぽくは山に一緒に行ったのかな?
絵日記みたいですね。
こんな時間を過ごした日が、誰しもあったのねー。


2007年06月16日

不良少年のパソコン学再び第17回「アップグレードする」のためのイラスト

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不良少年のパソコン学再び第17回「アップグレードする」のためのイラスト
1994
480×580ピクセル
雑誌「ASAhIパソコン」朝日新聞社 1994年10月1日号 (no.135) p.133
Courtesy Gallery Cellar

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昨日、藤田は人生初の「先生業」をやらせていただきました。
地元である倉敷芸術科学大学で作品講評をさせていただいたのです!

思えば・・・。
中ザワさんと初めて会ったときは、OL4年目と同時に、美学校の生徒でした。
それから2年くらい経って会社を辞めて、ライターになると決意。
しかしライターどころか、最初の火起こし期間がしばらくありました。
「月刊ギャラリー」とか「ARTiT」とかを少しずつやっていたころは、
主収入はバイトだったし、書くことも未熟だったから、
「私はマッチです」って言ってたっけ。
やっと「ライター」と名乗るようになったのは、
定期的な収入がライターとして入ってきた、ここ2、3年くらいの話のような気がします。

本日の一品を見ていると、
そんなアップグレードしていく自分と重なります。
ちなみに
小学校のときの卒業アルバム「将来なりたいもの」で
「先生」と書いた私は、
昨日は毒舌吐きまくりながら講評をしてしまいましたね。
学生の皆さん、どうもありがとうございました。


2007年06月15日

雨、フ、ル、日。(赤)

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雨、フ、ル、日。(赤)
1988
16.5×16.5cm
アクリル絵具、紙
発表歴:1988 個展「火星人ヨサラバ」ギャラリーアートワッズ(東京)、2004 個展「中ザワヒデキの原点展:1980年代アクリル絵画」ギャラリーセラー(名古屋)
個人蔵

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とうとう「梅雨」の季節です。

最近、自転車を愛してやまない私としては、乗れない日があるってヤダ。
私の自転車は高校入学時から乗ってるから、もう18年のお付き合い(笑)。
クラスで唯一の、自宅生で自転車通学だった記憶があります。

山にあった学校なので、自転車置場に虫とか生物がたくさんいました。
そのひとつがカタツムリ。
雨が降ると大量発生して、革靴で無意識に「ペシャ」ってつぶしてた。
・・・という、心イターイ思い出を本日の一品で思い出しました。

この作品のカタツムリはかわいいけど、
私にとってのカタツムリは、
決して「ツノダセヤリダセ」なんてノンキな物体じゃないなあ。
そしてこんなふうにしゃべられたら、つぶれたときのうめき声とか聞こえそう。

ついつい一つの作品で思い出やらカタツムリに対する思いをぶちまけてしまいました。
作品鑑賞って、これでいいのかな?!


2007年06月14日

336個の回文的造語(滝)

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別の写真はこちら

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336個の回文的造語(滝)
2003
120×36.5inch(304.8×92.7cm)(注)
発表歴:2003 ISCPオープンスタジオ展(ニューヨーク)(注)
ISCPでのインスタレーション(現存せず)(注)

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雨の季節です。
水っぽいものを選んでみました。

さんずいの漢字が、
画数が多いものから少ないものへ上から下へ流れているように見えることから、
通称「滝」と呼んでいる、本日の一品です。
(発表時は、ただの「336個の回文的造語」でした)

アルファベット部分は、発声練習みたいに母音が並んでいます。

関係ないけど、フランス語で水って「eau」ですよね。
惜しい終わり方だと思ってしまいました・・・。

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(注)
現存しないISCPでのインスタレーション展示ののち、
中ザワさんは新たにタブロー作品(大&小)を制作しています。

[大]200×62.6cm (ed.1)
  発表歴:2006「DOMANI・明日」損保ジャパン東郷青児美術館(東京)
  個人蔵

[小]90×28.1cm (ed.5)
  発表歴:2004 個展「文章」ギャラリーセラー(名古屋)
  掲載歴:2006 「婦人画報」アシェット婦人画報社 2006年7月号 (no. 1236) pp. 228-230
  個人蔵


2007年06月13日

今月の美術美術学第11講「コトバアソビ」

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今月の美術美術学第11講「コトバアソビ」
1991
591×1440ピクセル
雑誌「GOMES」PARCO 1991年12月号 (no.32) p.9
Courtesy Gallery Cellar

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ライターという職業上、
言葉って敏感にならざるを得ません。
本日の一品のような話題は、とても気になるのです。

中ザワさんの文章に出てくる、
マグリットの「これはパイプではない」とか、
高松次郎の「この七つの文字」とか、
最初見たときはびっくりを通り越して、笑うしかありませんでした。
学術的な見解をすれば理屈があるのでしょうが、
「えーそれでいいのー」みたいな、
「そんなことをもっともらしくてスゴイなー」みたいな、
そういう感覚を覚えた私。

この文章には出てきませんが、
デュシャンの「L.H.O.O.Q」は「彼女のお尻は熱い」という意味だとか、
案外「はぁ??ふざけおってからに」と言わせるような
タイトルだったり内容が、現代美術の作品には多いんですよね。

と考えると、例えば昨日紹介した、
中ザワさんの「二九字二九行の文字座標型絵画第二番」も、
難しそうだけど当たり前のことしか言ってない!
なーんだ、
って思いますよね。


2007年06月12日

二九字二九行の文字座標型絵画第二番

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二九字二九行の文字座標型絵画第二番
1997
130×130×20cm(注)
塩ビフィルム、ライトボックス(注)
撮影:黒川未来夫
発表歴:1997 個展 ギャラリーNWハウス(東京)、2000「メディアセレクト2000」名古屋港・ガーデンふ頭20号倉庫、2001「メッセージ/言葉の扉をひらく」せんだいメディアテーク
掲載歴:雑誌『エル・アール』LR編集部 1999年1月号 (vol. 11) pp. 10-18、雑誌『ブルータス』マガジンハウス 2002年9月1日号 (vol. 23-16 no. 508) p. 74

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文字座標絵画というシリーズは、
文字のひとつひとつが色彩における画素に見立てられ、
規則正しく並べられている作品です。

んー、ちょっと難しいぞ。
わからん、なんじゃこりゃ。
と言いたくなりますが、もうちょっと眺めてみましょう。

中ザワ「一番右上の漢字「堯」、その左隣「齣」、その下「黶」、その下「麪」、その右「鸛」、
・・・というふうに漢字だけ追うと、この平面内でぐにょぐにょと曲がりつつ
一番左上の「瑤」まで一本道になっているの、わかりませんか?」

藤田「はい、追えます、追えます・・・・」

中ザワ「JIS第二水準のコード表から規則的に取り出した漢字を、
ヒルベルト曲線という平面を埋め尽くすフラクタルな曲線に似せた方法で、
右上から左上まで一本の左右対称の一筆書きのような折れ線として並べてるんだ」

藤田「ん?ん?ん?・・・ヒルベルト曲線?
そのぐにょぐにょがヒルベルト曲線っていうんですか?」

中ザワ「僕もこの作品のために、ヒルベルト曲線について勉強したんだけどね」

藤田「あ、ああ・・・。その間に、ひらがなが入ってるのは追えるんですけど」

中ザワ「あ・・・い・・・・う・・・ほらね」

藤田「順番に入って・・・る?!」

・・・・・

(注)
上記とサイズ、素材が異なる「二九字二九字の文字座標型絵画第二番」が、他3点あります。

・65×65×20cm
 塩ビフィルム、ライトボックス
 ……これは同じものが2点あります。

・120×120cm
 チバクローム
 北九州市立美術館蔵

ポートフォリオ


2007年06月11日

子どもに激怒してしまう私・第1回「早くしなさい!ダラダラする子どもに腹が立つ」のためのイラスト

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子どもに激怒してしまう私・第1回「早くしなさい!ダラダラする子どもに腹が立つ」のためのイラスト
1992
230×1220ピクセル
雑誌「プチタンファン」婦人生活社 1992年12月号 pp98〜99、101
Courtesy Gallery Cellar

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今回はじめて紹介するのは、
中ザワさんが「プチタンファン」という育児雑誌に掲載したイラスト。
中ザワさんは掲載がモノクロと知らずに、
第一回目のこのイラストをカラーで描いてしまったそうです。
(なので同シリーズの2回目以降はモノクロのイラストになってます)
カラーのせいで、お母さんの目が血まなこなのがリアルですね。

最近「だらだらしたくない」と思ってる私。
ついつい寝ちゃったり、ついついお菓子を食べ過ぎたり。
子供じゃないんだから!と思いながら、だめですね、
このイラストを見て自制します・・・。


2007年06月10日

fishing/boating

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fishing/boating
1986
103×72.8cm
アクリル絵具、紙、パネル
発表歴:1986 個展「Effie, Madge, Tina, Louise, Betty, Anita」ギャラリーアートワッズ(東京)、2004 個展「中ザワヒデキの原点展:1980年代アクリル絵画」ギャラリーセラー(名古屋)
Courtesy Gallery Cellar

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梅雨前のせいか、天気が不安定ですね。
こんな天気図を天気予報で見かけま・・・せん!
違った、これは天気図ではなかったです。

この作品は一見暗いのですが、使っている色にこだわりがあるようです。

中ザワ「個展で、赤の作品ばかりにならないように青の作品を描いたんだ」
・・・え?青の作品なんですか??

中ザワ「リキテックスの・・・パール系のブロンズの色を使って、
・・・ない!違った違った、
この作品は下地にパール系の茶色とか普通の茶色を使ってる。
あと、不透明のマンガニーズブルーを上に塗ってるんだよ」
・・・茶色とブルーですか!

中ザワ「マンガニーズブルーは好きでよく使ってて、
不透明色なのに下地の色を隠しきれないんだよ」
実物は青の原色や下地の茶色が見える、色のきれいな作品なんだそうです。
見てみたいなぁ、中ザワさん。


2007年06月09日

名画のつづき その7:マティス/ダンスII

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名画のつづき その7:マティス/ダンスII
1991
1580×303ピクセル
雑誌「Tokyo Walker」角川書店 1991年8月20日号 ページ数調査中
Courtesy Gallery Cellar

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本日の一品は、マティスの「ダンス」のパロディです。

ダンスと言えば、今日はダンスを見に行きます。
「踊りん坊侍」というタイトルの公演で、
4つのむさくるしいダンスグループ(?)が踊ります。

私のお目当ては、大学の後輩くんがやってるAPE(エイプ)。
APEを見ていると、
大学で習ったことが自分の血や肉となってるなあ、
あの先生の教えが守られてるわー、
同じにおいがするってこういうことなのねー、
と親近感を寄せずにいられません。

ちなみにAPEは、バターになるほど動きません。
あしからず。


2007年06月08日

不良少年のパソコン学再び第14回「開く」のためのイラスト

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不良少年のパソコン学再び第14回「開く」のためのイラスト
1994
480×580ピクセル
雑誌「ASAhIパソコン」朝日新聞社 1994年8月1日号 (no.132) p.129
Courtesy Gallery Cellar

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荻窪さんの文章では「ファイルを開く」の説明です。

あれ?中ザワさん。
なぜ魚を開いている絵なのかしら?
しかも背から開けないだろ!フツー・・・。


2007年06月07日

HAPPY TALK「WALK」のためのイラスト

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HAPPY TALK「WALK」のためのイラスト
1991
275×1280ピクセル
雑誌「HAPPY TALK」 (株)アスク講談社 1991年2月1日号 YEAR1,2号/通巻第11号 pp. 1-5
Courtesy Gallery Cellar

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本日の一品は「WALK」、そう「歩く」です。

仕事で美術出版社へ行きました。
お気に入りのNIKEのスニーカーをはいて行きました。
昔バイクを乗るために買ったのですが、
いまは歩くときには、このスニーカーが欠かせません。

美術手帖の編集長に
「おっ!そのスニーカーかわいいね」
と声を掛けられました。
赤地に黄色や青の小花があしらわれています。

「かわいい、ですって!」
うれしくて、美術出版社がある神保町から九段下まで歩いてしまいました。
あ、たいした距離じゃないか・・・。


2007年06月06日

1997年6月のまるちめ日記のためのビジュアル

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1997年6月のまるちめ日記のためのビジュアル
1997
480×640ピクセル
雑誌「CD-ROM Fan」 (株)毎日コミュニケーションズ9月号 (vol. 4-9 no. 41) p. 121
Courtesy Gallery Cellar

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ふむふむ。
まるちめ日記1997年6月分を読んでみました。

中ザワさんが美術家に転身して最初の個展をやったのは、
10年前の6月。
そして、美術の世界じゃ行かないとモグリ?な国際展、
2年に一回のベネチアビエンナーレ、
5年に一回のドクメンタ、
10年に一回のミュンスター彫刻プロジェクト、
へ中ザワさんが行ったのも、
10年前の6月。

だよなあ。
10年前の6月なんて、社会人1年目だし、アート無知だったし。
今年はこの3つの国際展、行きたいなあ、私。
・・・ブツブツつぶやきながら、一日が過ぎていきます。

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この画像は2005年にプリントハウスOMから出版された
リトグラフ「まるちめ日記」の一部に小さく使われており、
単独でポストカードにもなっています。
リトグラフ「まるちめ日記」ならびにポストカードが発表されたことがあります。

2005 グループ展「ポストカード展」ギャラリーOM、2005 個展「中ザワヒデキの展開展: 1990年から96年までのバカCG」ギャラリーセラー


2007年06月05日

鳩の目TV3「おかまのたまきさんと出会った夜」のためのイラスト

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鳩の目TV3「おかまのたまきさんと出会った夜」のためのイラスト
1994
205×142ピクセル
雑誌「鳩よ!」マガジンハウス 1994年2月号 p.19
Courtesy Gallery Cellar

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ゲイとホモの違いが分かりません。
別に知る必要もない生活をしているのですが。

でもこないだホームセンターの近くを通ったとき、
見かけは男の人だけど、女の人みたいなしゃべりかたの人が、
「このバラが欲しいのぉ」
と手を握っていた男の人にねだってました。

・・・すてき。


2007年06月04日

大阪の皆さんこんにちは(原画)

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大阪の皆さんこんにちは(原画)
1993
原画:450×400ピクセル、壁画:サイズ調査中。ダイヤブロック、接着剤
発表歴:このCGを原画として製作された巨大壁画は1993〜1996年大阪・心斎橋JAPAN LIFEビル入り口壁面に設置された。原画は1993年の同ビル10周年記念イベントのポスターにも使用された。

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今朝の友人なぁちゃんからのメール。
「ちさいちゃん、新聞載ってる!」
そういえば先週の金曜に行った大阪・通天閣で、
私は読売新聞の取材を受けてしまったのでした。

「そうそう、僕も大阪ネタがあるよ」と中ザワさん。
それが本日の一品です。

心斎橋にあるJAPAN LIFEビルは、
大阪人によると出来た当初はオシャレなデートスポットだったそう。
そのビルが出来て10周年を記念し、
ダイヤブロックを使った壁画を作ることになり、
その原画を中ザワさんに頼まれたそうです。

壁画の大きさを元に、ブロックの数を割り出し、
そのブロック1つ分=1ピクセルとして、原画が描かれました。

残念ながら1996年にオーナーが変わったのか何かで、
この壁画はなくなってしまったため、今は見ることはできません。
他にもパフォーマンスやイベントをしたそうですが、
追々そういった作品は紹介していきます。


2007年06月03日

不良少年のパソコン学再び第11回「落ちる」のためのイラスト

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不良少年のパソコン学再び第11回「落ちる」のためのイラスト
1994
480×580ピクセル
雑誌「ASAhIパソコン」朝日新聞社 1994年6月15日号 (no.129) p.105
Courtesy Gallery Cellar

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この「不良少年のパソコン学再び」という連載は、
ページの最初が辞書みたいになっています。

たとえば、今日のは、
「落ちる」
【類】飛ぶ、行く
【関連】フリーズする、凍る、固まる
・・・といったようにです。

落ちるってなんだろ、と思ったけど、そういうことか。
Windowsの私はあまりないですが、
よくMacを使っている人は叫んでる単語ですね。

でも本日の一品のようなニュアンスとはちょっと違う気がする。
こんな突然落ちたら・・・あー、こわこわ。


2007年06月02日

「CLICK STUDY 001〜009」より 008 母をたずねて30000ドット

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(この画像はアニメーション作品の一部分です)

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「CLICK STUDY 001〜009」より 008 母をたずねて30000ドット
[インタラクティブアニメーション]
1995
マッキントッシュクラシック対応アプリケーション
発表歴: 2006 「中ザワヒデキ音楽作品展」渋谷UPLINK FACTORY、2006 「animtion tapes」愛知県芸術文化センター、2006 「animtion tapes」 直島カフェまるや、2007「サテライツ オブ アニメーション―アニメーションにまつわるいくつかの定点―」
Courtesy Gallery Cellar

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今日から私・藤田千彩も企画の一部を協力している
「サテライツ オブ アニメーション―アニメーションにまつわるいくつかの定点―」
というアニメーション上映会がはじまります。

去年UPLINK FACTORYで見た、
中ザワさんのアニメーション作品がとても印象にありました。
「CLICK STUDY 001〜009」というシリーズの中から、
本日の一品である「母をたずねて30000ドット」を上映します。
私が企画したプログラムが「線」をテーマにしたものなので、
この「母をたずねて30000ドット」だけを抜粋させていただいています。

画像の上部にある、横長のウィンドウにある、
線がうねうねしているのが本作品。
なにが母なのか、何が30000ドットなのか、は見てのお楽しみ。

ちなみにこの画像は、
鑑賞者が当時のマッキントッシュでマウスを動かしながら
本作品を見ているところです。
画面をビデオ録画したものなので、少しピンボケしています。

今夜は「KIDS BOX」を使って、
中ザワさんがライブパフォーマンスをします。
これまた見もの、ぜひいらしてくださいね。



2007年06月01日

不良少年のパソコン学再び第12回「クラッシュする」のためのイラスト

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不良少年のパソコン学再び第12回「クラッシュする」のためのイラスト
1994
480×580ピクセル
雑誌「ASAhIパソコン」朝日新聞社 1994年7月1日号 (no.130) p.133
Courtesy Gallery Cellar

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本日の一品のイラストは分かりやすいですね。
クラッシュする=パソコンが死ぬ、っていうことですわ。

私も一度だけあります。
しかもいま使っているパソコンで。
ちょっとダメージを加えてしまった数日後、
突然画面が真っ暗になって、音沙汰がなくなってしまったのです。

あのときはあせりました。
もはや神だのみ仏だのみでしたが、当然自力では復活しませんでした。

そうならないように、バックアップには気をつけなくては。


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