中ザワヒデキ
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Nakazawa Hideki 中ザワヒデキ展「芸術特許」

ギャラリーセラー (名古屋)
2005年5月7日(土)-28日(土)


オープニングレセプション初日18時


pdf: [封筒表面]
pdf: [書状表面]
pdf: [書状裏面]
pdf: [二つ折りフライヤp.1]
pdf: [二つ折りフライヤp.2&3 (見開き)]
pdf: [二つ折りフライヤp.4]


各  位

 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
 このたびギャラリーセラーでは、中ザワヒデキ展「芸術特許」を下記要領にて行います。美術家の中ザワヒデキは、デジタル画像に関する原理的な特許を日本と米国で取得していますが、本展ではこれらの特許を産業的資材かつアート作品であるとみなし、展示ならびに販売を行います。

 絵画芸術の原理には形と色の二つがありますが、デジタル画像の記述方式にも形と色の二つがあり、前者はベクター方式、後者はビットマップ方式と呼ばれます。Adobe Illustrator 等ではベクター方式、Adobe Photoshop 等ではビットマップ方式が使われており、たとえばデジタルカメラで撮影した写真データもビットマップ方式です。1990年代初頭、中ザワは、2D (平面) グラフィックス分野ではこれら二つの方式が広く使われているにもかかわらず、3D (立体) グラフィックス分野ではベクターの一つの方式しか使われていないことに気付きました。そこで彼は「ビットマップ3D」という概念を提出し、その具体的方法に関する発明を1996年に行いました。原理は簡単で、デジタル写真でいうところの画素 (ピクセル) の代わりに、立体画素 (ボクセル) を用います。また、立体造形における彫刻と塑造の対比が、ベクター3Dとビットマップ3Dに対応していると中ザワは主張しています。

 ビットマップ3D・ソフトウェアの発明は、国内特許第2968209号「三次元グラフィックス編集装置および方法」他、ビットマップ3D・プリンタ (立体プリンタ) の発明は、国内特許第3150066号「造形装置および方法」他です。1996年に株式会社アスクが発売した3Dソフト「デジタルネンド」は前者の発明にもとづいて中ザワがディレクションしたものでしたが、当時のマシンスペックの制約から32ボクセル立方の低解像度画像しか扱えず、子供向けの玩具としてしか認知されませんでした。

 時を経て開催される本展は、現在のマシンスペックなら可能な、来るべき本格的な高解像度ビットマップ3D時代の嚆矢として行われます。すなわちこれらの特許の有効利用をかきたてるため、その証券化を視野に入れた販売に踏み切ります。さらに本展は、未知の領域に信念を持って立ち向かうアーティストの究極のコンセプチュアル・アート展という側面も併せ持っています。この場合、特許の販売は、無形のコンセプトそのものの販売を意味し、アート界初の試みとなるでしょう。

 本展は、当ギャラリー別室で行われる「中ザワヒデキの展開展: 1990年から96年までのバカCG」と同時開催されます。スタッフ一同、皆様のお越しを心よりお待ち申し上げております。また、販売に関する詳細につきましては当方までお問い合わせ下さい。


展覧会
中ザワヒデキ展「芸術特許」 2005年5月7日(土)〜5月28日(土) ギャラリーセラー 営業時間 13:00〜19:00 日・月・火休廊
オープニング・レセプション 5月7日(土) 午後6時〜

関連イベント
中ザワヒデキによる「芸術特許」説明会
* ゲスト: 都築 潤 (イラストレーター)
5月21日(土) 午後4時〜 ギャラリーセラー 入場無料 定員50名 (予約受付中)

同時開催
中ザワヒデキの展開展: 1990年から96年までのバカCG 2005年5月7日(土)〜5月28日(土) ギャラリーセラー


[発明者紹介]
中ザワヒデキ 1963年生まれ、美術家。本名=中澤英樹。(有)アロアロ・インターナショナル代表取締役。
 千葉大学医学部在学中よりアクリル画を描き始め、受賞や個展開催等、アーティストとしての活動を開始。卒業後数年間は眼科医として勤務しながら活動を続けたが、1990年、コンピュータ・グラフィックスに転じ、日本初のヘタうま・ CGイラストレーターとして独立。2Dビットマップ・ペイントソフトを駆使して描いたチープでポップな作風は「バカCG」と呼ばれて好評を博し、マルチメディア・グランプリ'95にてMMAアーティスト賞を受賞、高校の美術の教科書にも作品が掲載された。
 1996年、それまで追究してきた2Dビットマップにおける画素を3Dとして置換・再構築し数件の特許を出願、世界初のビットマップ3Dソフト「デジタルネンド」を制作。翌1997年、画素をさらに抽象的な文字等の記号として再構築し新たな作風に到達、商業美術家から純粋美術家に転進。2000年1月1日、詩人と音楽家の立会で「方法主義宣言」を発表し自作を「方法絵画」と命名、Eメール機関誌「方法」を発刊 (2004年12月31日終刊)。2002年、文化庁在外派遣芸術家研修員として渡米。2003年、VOCA奨励賞。
 2001年よりほぼ毎年ギャラリーセラーで個展を開催し、2004年末の「中ザワヒデキの原点展: 1980年代アクリル絵画」では当時の主要作品をほぼ完売した。2005年末には「方法」終刊後の新作を発表する予定。著書「近代美術史テキスト」(1989)、「西洋画人列伝」(2001)。現在、「現代美術史日本篇」を和英対照で執筆中。ウェブページ http://aloalo.co.jp/nakazawa/




jpg 高橋綾子によるレビュー (中日新聞)

txt 高岳仁によるテキスト



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