中ザワヒデキ
バスからバスまでの和音進行第一番(2001)
Chordal Progression No.1 between buses
(バスはbassでなくbusである)
・三名または三部の合唱もしくは同種楽器で行う。
・演奏は、路線バスの通る道路の傍らで行う。
・演奏者は、目の前の片側車線にのみ注目する。車の通過は音の指示である。
・目の前を車が通過している最中は、「ドミソ」を発音持続する。
・車と車の間では、「ドファラ」または「シレソ」を発音持続する。
・「ドファラ」と「シレソ」の発音は、一台車が通過するごとに交互に行う。
・音の移行はなめらかに行う。演奏者は必要に応じて各自で息継ぎをする。
・路線バスの通過開始を合図に演奏開始。同バス通過完了直後は「ドファラ」に移行。
・次の路線バスの通過完了を合図に演奏終了。「ドミソ」で始め「ドミソ」で終わる。
・片側に二車線以上あり、複数台の通過が重なる場合は、とぎれるまでを一台と見なす。
・五線譜では便宜的に全音符を用いたが、音価に関しては文面の指示通りである。
バスからバスまでの和音進行第二番(2001)
Chordal Progression No.2 between buses
(バスはbassでなくbusである)
・二名または二部の合唱もしくは同種楽器で行う。
・演奏は、路線バスの通る対面通行道路を走行中の乗用車の後部座席で行う。
・演奏者は、対向車線にのみ注目する。対向車とのすれ違いは音の指示である。
・「ドソ」または「レファ」を発音持続する。
・「ドソ」と「レファ」の発音は、一台車とすれ違うごとに交互に行う。
・音の移行はなめらかに行う。演奏者は必要に応じて各自で息継ぎをする。
・路線バスとのすれ違いを合図に演奏開始。「ドソ」から始める。
・次の路線バスとのすれ違いを合図に演奏終了。「ドソ」または「レファ」で終わる。
・片側に二車線以上あり、二台(偶数台)と同時にすれ違う場合は、音の移行はしない。
・片側に二車線以上あり、三台(奇数台)と同時にすれ違う場合は、音の移行をする。
・五線譜では便宜的に全音符を用いたが、音価に関しては文面の指示通りである。
機関誌「方法」
誌上発表作品