- - - - - - - 
 中ザワヒデ
 キ文献研究
 進行状況逐
 次報告
 - - - - - - - 

 

【留意事項】
本報告について中ザワヒデキは、事実誤認がさまざまなレベルで多々あることを了承の上で読んでいただく分 には公開しておく意義があるとし、公開している

第三期一回 

二〇〇九年五月二十日


---

中:今期もよろしくお願いします。出席簿も新しく作ってもらいました。半田さん、皆藤さん、平間さん、新藤さん、新藤さんは今期からですね、よろしくお願いします。今期も案内書に沿って始めていこうと思います。案内書には6時半になっていますがみなさまどうでしょう、7時の方が都合が良かったら7時からにしましょう。

webの文献研究のページの案内を読み上げてみます。「この講座は、美術家中ザワヒデキの膨大な自筆文献を受講 生が読み解き研究の課題とすることを本人が積極的に推し進めるものである。中ザワがこれまで執筆してきた文章はその制作活動と密接に関わっており、自らの 芸術理念をそのまま反映するものである。その多岐にわたる文章を受講生自身の個々の問題意識に併せて捉え直し、共に議論の場とすることを主な目的とする。  中ザワヒデキ」

はい。僕のこの講座は第三期です。2007年が第一期、第二期が2008の春から。そして今回が第三期です。皆藤さん半田さんは初めからいるので大先輩です(笑)そして平間さんは先輩にあたりますね。

案内の下に「中ザワヒデキの文章」という欄がありますが、この中では現代美術史日本編、滅失絵画、脳でみるアート、「松澤宥論」論、方法の活動と終焉、還元主義から新表現主義へ、なそ説、は読みましたね。方法主義宣言は読みましたもなにも注に全文入っていたりしますね(笑)、東京直接表現小史、文字の意味と反意味、作曲の領域、五千文字、その後のバカCG、中ザワヒデキ以後は読みましたね。サカナデARTこらむは読んでない、近代美術史テキストは読んでないですね、そしてリアルタイムに執筆中だったのが、岩波「哲学」の「芸術の方法と方法の芸術」ですね。そして流政之作品論集です。半田さんは読んでくれたみたいですね。

は:はい、これは読みやすいです。

中:あとは方法鼎談の1と2があります。それとイカノフで豊島さんと対談しているものもあります。

は:あれはかみ合ってなかった感じですね(笑)

中:あと凄く短い文章なんですが、詩のアイデンティティという新国誠一論があります。先月の美術手帖に載ったものです。あとは「太陽」で95年に連載していたものがあります。画廊巡りをしながら連載しました。その後になって引用されていたりします。他にもあるのですが是非続きをやりたいと思っていた所で今回の講義が決まったようです。

それとこの文献研究の目的があって、今まで単行本として僕の文章がまとまっていものがあって、いつかまとめたいと思っています。しかし自分でもどこに書いたかまとめていない状況で、はじめは「次の実験」っていう講義を開いたりして誰も来なかったりして開講しなかったんだけど、ぼくはあまりやりたくなかった。ぼくは教えるっていうのはやりたくなくて、今泉省彦の文書にも「教えをうけることをみずからの意志として捉えて 欲するものを得ることはありえても 教えることをみずから意図し果たしうることはないのであって 教える意志は生徒の脳皮質をかすめて消えるのである 最高の教育とは 教える意志をもたぬものから必要なものを盗ませる ということになろうか」と書いてあるけどそれならば同感で、教えるっていうのは自分の意図に反するんですね、それで自分は今は作品を作りたいからといって断ったのですが、日経新聞でそのとき連載をしていて、400字だったのですが、書きたいことは毎回4000字位あって残りの3600字の分とか話したりできる。そして文献研究を開講することになったんだけど、第一期はけっこう飛ばしすぎた。なので残りの3600字分を話すというよりはパーっと読んでいってしまった。第二期からは結構熟読スタイルでいったんだけど、今回もそういう感じで良いかなと思います。コピーはA4に取っています。そして現在は433頁まで読んでいます。今日からは434頁です。

太陽の次はレビューハウスとかポップイラストレーションとかあります。ポップイラストレーションは美学校で行ったものですね。

それでは#p.434の「追従されたいアート」ですね、これは毎日新聞の1994年3月14日のp.6です。その裏が中日新聞が#p.435。その次の図書新聞の方法鼎談が#p.436、その次が437、降臨する芸術意志が#p.438、その裏が#p.439。その間に新国誠一があって#p.440、詩のアイデンティティが#p。.441、sの次が442、その下の美術手帖、方法鼎談が#p.443、その次のBTが#p.444。BTのp.92、93頁が445、次が446、次97頁が447。この次はまだですね、この文献研究の記録なんですけど、最初は田村さんがいて、ノートを取りながら受講して、そのまま文献研究逐次報告というホームページに載せてくれています。そしてまだ滞っているものもあります。それは順次田村さんが載せていってもらいるのですが、その次の第二期からはどうしようかという所で平間君がテープ起こししてくれるという事で、先日第一回目がテープ起こししてくれたのですが、次はできそうですかね?

ひ:今は続きをやっています。

は:全部という所はまずいところもあって、固有名詞や、読まれるとまずいところもあって、削って欲しい所があります。

中:受講者をa, b, c,,, とかにするのはどうかな?

は:ん〜、

ひ:そのまずい会話の部分を削除しましょう。

し:半田さんに校正していただきましょうか。

は:というか、まずいところは無い方がいいかな。

中:配慮したいというのもわかります。では受講者をa, b, c,,,にするのはいいんじゃない。

は:そうですね。ただ初めに発言の責任を持つために発言者の名前を出そうっていう事で始めた事もありました。

中:そうだね、ケースバイケースで良いと思うんですけどね。ただアートセラピー万歳という内容が多い雑誌で僕だけアートセラピーに疑義があるっていう内容の記事だったから余計に気にする感じですね。

ひ:ただその回だけで大丈夫ですかね、よく読めばわかります。

中:あとは僕はとりあえず日付と読んだものさえわかればいいと思います。

し:毎年何回あるのですか?

中:18回です。そして今回が今年の一回目です。夏休みも取りましょう、みなさま7月はどんな感じでしょうか、まあその場で決めましょうか。僕の予定としては10月に休みをもらうかもしれませんが、普通にやれば9月くらいには終わるのかな。今ふってしまいましょうか、27日が第二回、6月3日が第3回、10日が第4回、17日が第5回、24日が第6回、7月1日が第7回、8日が第8回、15日が第9回、22日が第10回、次が夏休みですかね、そういう感じで9月2日が第11回、9日が第12回、16日が13回、次が連休だから休みましょうか、30日が14回、10月に全部やって18回ですね。なんか半期になりませんがいいのでしょうか。

ひ:18っていう数字はどこから北きたのでしょう。

中:藤川さんです、まあとりあえず9月30日まではこういう感じで行きましょうか。いや、僕がだめかもしれない、10月3日から個展があるのですが、それでは残りは保留にしましょう。では休憩して僕は来週から読んでいく分をコピーします。

---

休憩、その後中ザワが配った資料に番号打ちをして、授業開始

---

中:番号打ちはこれで大丈夫かな、「追従されたいアート」から「方法鼎談2000」は一人で行きましょうか。次は「降臨する芸術意志」と新国の具体詩のもの、その次は少し長いかな、アイロニーの話とか同語反復の話など出てきて少し面倒ですけど一人、次の流政之作品論集は二つに分けましょうか、455の手前までが一人、後半から最後まで一人でいきましょう。そしてポップイラストレーションが一人。それで次回は早ければぱっぱと進みましょう。方法鼎談の所は少しゆっくり進みましょう。あとは何かあるかな、ギャラリーセラーが銀座に移転して、そこで今度僕の展示があります。文化村にも出した作品が一点あります。あと人知れず武蔵美で展覧会を行っていました、学内展示です。

何か質問などあるでしょうか、もしくは質問や豊富などありますか。新藤さん。

し:そうですね、何か実用的なものとか自分の身になる様なものではなくて、役に立たないような事を学んでいきたいと思います。

中:ちなみにどいういうものだと実用的なものなんでしょう、それを避けていきたい(笑)

し:例えば社会学の理論に役立つとか。

中:社会学というのはどういうものなんですか?

し:例えばロマン主義的アイロニーとかはうまくすり抜けていきたいと思っています。

中:いつもそれは問題になります。ロマン主義的アイロニーは社会学の話になるのか、芸術の話ではないのね。

し:2000年頃から社会学でも言われ始めています。

中:それは否定語として使われているんですか?

し:いや、浮ついた感じというか、聞いていて気恥ずかしくなるような所があって、そういう事をせずにうまく違うアプローチをして問題の本質を捉えたいと思っています。

中:社会学は問題の本質を捉えるんですか?

し:基本的には今まで問題とされていなかったようなものに新たに光をあてて、それがどういう構造になっているかを説明するというか、その問題の解決までは指向していない場合があります。提言はありますが、一番には分析し、構造を解説するという事です。

中:解決がペンディングされていると言うことは、さらにいうと、どちらの方向性を主張したいということも保留されていると言うことかな。

し:おそらく書く人によってはあるのですが。。

中:中心ではないと。構造主義との関係は?

し:フーコーを構造主義と言えばそうです。今の社会学は影響を受けています。構造主義というのは定義によっていろいろあるのですが、表面的な普通に生きている社会ではなくて、裏に法則がある。僕たちは自由に生きているように見えるけれど、実は法則があってそれに引っ張られながら行動をしているというのが一つの構造主義の見方です。

中:その構造をあぶり出すような方法論や構造をあぶりだす態度が構造主義だと僕は認識しているんだけど。

し:おっしゃるとうりです。

中:ある人とメールで話したんだけど、その人は「人間は抑圧されている、その抑圧を暴こうとするのが構造主義だ」といっていて、それはすごくバイアスがかかっていて、目的のことを主義と言っていた。しかし通じなかったな。それも構造主義というんでしょうか。

し:その方は見えない構造の事を自分達が抑圧されていると言い換えていたんですかね。

中:それで抑圧に対して科学的態度で対処していく、冷静に分析していくのが構造主義ですね、抑圧にたいして戦うかどうかはペンディングして、抑圧を分析していく。そこに主観論で対処するのではないのが構造主義というのが分析的、科学的に対処するんだと思うんだけど、その人は抑圧は悪みたいなバイアスがかかっているのではないかと言ったんだけど、通じなかったな。

し:サルトルよりの構造主義のとらえ方ですね、サルトルが人間の自由な主体性みたいなことを唱えていて、構造主義はそういうもののはペンディングして客観的、中立的に対処しようという態度なのですが、その人は人間の自由な主体を確保するために構造主義を使っているという感じですね。

中:僕がその人の言いたかったことを理解していなかった可能性もあるんですけどね。科学分析する態度という事で構造主義というのはわかるんだけど、そこに抑圧を開放するためにってなると僕は全然違うと思うんだよね。

し:社会学では抑圧っていうのは重要なテーマですね。

は:そうえばNOVAがつぶれましたね。

か:うちの大学からも就職した人が多かったので、みんなどうなったんでしょうか、きになります。

中:製造業なども大変らしいですからね、大恐慌が第二次世界大戦のひきがねになりましたからね、しかし核兵器は廃絶の方向性に向かっています。社会学的にはどうなんでしょう、そういう態度は構造主義なんでしょうか。

し:どうでしょう。

中:でも矛盾してるよね、核兵器廃絶の方向性と、不況だから戦争だっていうのは。でもこんなこと言ってる人いないか、不況が戦争に結びついていくっていうのは。

は:田村さんはそんな事を仕事先で言っていました。不況がどういうことかっていうのとか、搾取がどうのとか。

中:でも不況の時のたくさんいる失業者の対策で、一番功を奏したのはヒトラーなんですよね。それで指示を得ていたという歴史もあるんです。あと明治維新後の日本で失業率が下がって、不満をもつ人が出た。それは西南戦争に向かったんです。戦争が失業対策に有効だっていうのはあるんですよ。

は:朝鮮戦争も景気が良くなったと言いますね。

中:しかしここは社会学の授業ではないので違う話にしましょうか(笑)

中:他になにかありますでしょうか、今日は顔合わせと言うことでこれくらいにしておきましょうか。最初のうちに言っておくことはですね、ここで読むものは僕の文章なので、繋がっているんですよ。なので、慣れていない人にはきついところもあるかもしれません。

どこからよめば良いとかあるかな、石井香絵論文かな。僕の文章ではないけれど。

は:そうですね、わかりやすいです。

中:文体も読みやすくて良いです。

か:現代美術史日本編の80年代の部分とかも良いと思います。

中:第二版を執筆中という話はみなさんに伝わっていると思いますが、それっきりです(笑)それとKANDADAで行った対談などをテープ起こししたものが本になるという話が進んでいます。KANDADAがコマンドAを立ち上げてそこから出版するらしいです。あとは過去の映像なども見たいですね。

か:JATも見てみたいです。

中:昔のマックじゃないとみれないんですがあるでしょうか。僕がパソコンを持ってくればいいのかな。画面が小さくてもよければ。

じゃあ今日はこの位にしましょうか。

20110516  文責:平間貴大

戻る