[人工知能美学芸術展]第14-16回AI美芸研シンポジウム(OIST)

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明けましておめでとうございます。本年も宜敷お願いします。
美術家/AI美芸研の中ザワヒデキ、草刈ミカです。

世界初の総合的なAIアート展としての「人工知能美学芸術展」を、
沖縄科学技術大学院大学(OIST)にて好評開催中です(1月8日まで)。
http://aloalo.co.jp/ai/exhibition/
https://groups.oist.jp/ja/aiaae
http://aloalo.co.jp/nakazawa/2017/aiaae.html

■第14回AI美芸研[人工知能美学芸術シンポジウム04]

「AI美学と多神教」
2018年1月6日(土)14:00-19:00 (※終了後、懇親会)
OIST講堂 参加費無料 日英同時通訳
【講演】岡田浩之、栗原聡、銅谷賢治
【進行】銅谷賢治(OIST)、中ザワヒデキ(AI美芸研)
※講演後、全体討議の時間を設けます。
※講演と討議は撮影、配信、実況歓迎です。記録動画を後日公開します。
http://aloalo.co.jp/ai/exhibition/ex_symposium.html#ex_sym04
https://groups.oist.jp/ja/aiaae/symposia#04
https://www.goethe.de/ins/jp/ja/ver.cfm?fuseaction=events.detail&event_id=21087423

「 "プロジェクションサイエンス" による脱身体化された認知への試み」
岡田浩之(玉川大学学術研究所先端知能・ロボット研究センター主任、ロボ
カップ日本委員会専務理事)
「プロジェクションサイエンス」とは、人間の認知機構を解明するためのま
ったく新しい方法論であり、表象を外の世界に投射するプロセスこそが物理
世界の刺激や情報から、主観的な経験を生む源泉そのものだと主張する。
講演ではこれまでの身体化された認知の考え方をプロジェクションサイエン
スの視点で考え直すことで、脱身体化された認知という新しい認知のメカニ
ズムの可能性を論じる。
特に、幽霊や神など表象の生成に直接関係する外的な対象物がない、あるい
は認識されていないのに、何らかの理由で存在が信じられている現象を「プ
ロジェクションサイエンス」の視点で考えたい。
http://okadahiroyuki.sakura.ne.jp/jp

「人工知能開発における西洋的・東洋的モノの見方による違いとは?」
栗原聡(電気通信大学大学院情報理工学研究科教授、人工知能先端研究セン
ター長)
現在の機械学習に基づくAIは、知的情報処理技術と呼ぶ方が相応しい。そし
て、いよいよ本来のAIである、汎用型・自律型AI研究開発が加速しようとし
ている。AIシステムは大規模複雑化し、その全体を100%理解することも困難
になるであろう。従来の科学技術は主としてトップダウン型の方法で設計さ
れてきたが、大規模複雑なシステムに対してはボトムアップ型の方法も取り
入れる必要がある。トップダウン的方法は西洋的視点と親和性が高く、一方、
ボトムアップ的方法は東洋的視点との親和性が高い。今回は次世代AIの研究
開発における、西洋的・東洋的モノの見方が果たす役割について考える。
※(III)作品「DQNによる交通信号機制御」「多段創発アーキテクチャ」展
示中。(2)講堂棟。
http://www.ics.lab.uec.ac.jp/kurihara/

「自律学習ロボットは何の夢を見るか」
銅谷賢治(沖縄科学技術大学院大学神経計算ユニット教授)
つい数年前までのロボットや人工知能は、人により設計されたルールを入力
に応じて適用するものだったが、ディープラーニングとの組み合わせにより
強化学習が実問題への適用が可能になり、ロボットや人工知能は自らの行動
則を獲得するようになった。強化学習は外部から与えられる「報酬」を最大
化する枠組みであり、それはより速く走ることであったり、ゲームのスコア
を稼ぐとこであったりする。ではロボットや人工知能は自らの報酬を発見し
選択することはできるだろうか?できるとしたらそれはどんなものになるだ
ろうか?これらの問いに答えるべく進めている研究について紹介する。
※(IV)銅谷賢治とスマホロボット開発チーム「ロボットは自分の目標を見
つけられるか?」展示中。(20)センター棟B階。
https://groups.oist.jp/ja/ncu

■第15回AI美芸研[人工知能美学芸術シンポジウム05]

「人工意識 / 人工生命」
2018年1月7日(日)14:00-19:00 (※終了後、懇親会)
OIST講堂 参加費無料 日英同時通訳
【講演】池上高志、金井良太、中垣俊之
【進行】銅谷賢治(OIST)、中ザワヒデキ(AI美芸研)
※講演後、全体討議の時間を設けます。
※講演と討議は撮影、配信、実況歓迎です。記録動画を後日公開します。
http://aloalo.co.jp/ai/exhibition/ex_symposium.html#ex_sym05
https://groups.oist.jp/ja/aiaae/symposia#05
https://www.goethe.de/ins/jp/ja/ver.cfm?fuseaction=events.detail&event_id=21087427

「人工の意識とアンドロイド "オルター"」
池上高志(複雑系科学研究者、東京大学大学院総合文化研究科広域科学専攻
広域システム系教授)
いつ私たちは心を持っていると感じるのか、あるいはマシンに心をどのよう
にインストールすることができるか? これらの質問に答えるために、人を
使った実験的アプローチとアンドロイドをつくる構成論的実験の2つのアプ
ローチをとる。実験的アプローチでは、知覚交差実験と呼ばれる、仮想空間
における触覚相互作用から被験者がパートナーの存在を知覚する認知実験を
紹介しつつ議論する。構成論的アプローチでは、「Alter」という名前の
Androidを作成し、Alterの人間性を育むために人々と交流できるよう、セン
サーと内部ダイナミクスを設計する。アンドロイドの振る舞いを紹介しつつ
人工の意識について議論する。第1の実験アプローチでは、パッシブタッチ
(受身的な触覚刺激)は他者を知覚するために不可欠であることを示唆する
(Kojima, H. et al. Front. Psych. 2017) 。第2の方法では、刺激回避の
原理に基づいて動作するアンドロイドの振る舞いを議論するものである
(Doi, I. et al., ECAL 2017)。 仮想空間と人工生命システムを使った実験
から、ここでは、人間-AI / ALIFEの相互作用の革新的で複雑ダイナミクス
の側面について議論する。(cf. 池上高志、石黒浩「人間と機械のあいだ」
講談社、2016.)
http://sacral.c.u-tokyo.ac.jp/

「意識と知能と生命は同じか?」
金井良太(神経科学者 株式会社アラヤ代表取締役)
意識に関して2つのナイーブな直感がある。
1.生命は意識を持っている。生命には意識があると認めがちだが、機械に
は意識がないと思いがちだ。
2.高度に発達した人工知能は意識を持っている。SF映画などでは、人工知
能が発展することで、感情を持つようになり、意志を持つようになる。
無論、意識・知能・生命の3者を分析的に区別することは可能だが、本講演
では、敢えて意識が人工知能や人工生命に宿ると考える3者の密接な関係を、
理由をセルフの生成モデルと生物学的自然主義の観点から提唱する。同じ観
点から、人工知能に汎用性を持たせることで現象的意識が生じると考える理
由を議論し、統合情報理論などを用いた検証方法を提案する。
http://www.araya.org/archives/276

「単細胞粘菌の行動と賢さの接点を想う」
中垣俊之(北海道大学電子科学研究所所長、附属社会創造数学研究センター
知能数理研究分野教授)
ジメジメした薄暗い林床でひっそりと生きている粘菌。1分に1回の脈動を
しながら、1時間に1センチメートルぐらいの速さで動き回る。何センチメ
ートルにもなる巨大なアメーバ。ひっそりとした生活を送っているかと思い
きや、光や風や天敵を避けながら湿気や餌を求めて、時々刻々変わる環境の
下で上手い戦略を立てていた。「行くべきか行かざるべきか?」なんてジレ
ンマだって普通に起こるややこしい生活であった。人間とは全く違う姿形で
あるとはいえ、生き物としての苦労は、やっぱり同じようにある。「単細胞」
などと侮ることなかれ。単細胞が愚かだという考えが愚かしい。私達は、単
細胞がどれほど賢いのかまだ知らないのだ。それは、多分簡単には解明され
ないだろう。だらか、その知らないこと自体は少なくとも知っておきたいと
思う。
http://pel.es.hokudai.ac.jp/

■第16回AI美芸研[人工知能美学芸術シンポジウム06]

「AI美学と機械」
2018年1月8日(月祝)14:00-19:00 (※終了後、展覧会閉幕パーティー)
OIST講堂 参加費無料 日英同時通訳
【講演】秋庭史典、エレナ・ノクス、久保田晃弘
【進行】銅谷賢治(OIST)、中ザワヒデキ(AI美芸研)
※都合によりインケ・アーンスは出演できなくなりました。
※講演後、全体討議の時間を設けます。
※講演と討議は撮影、配信、実況歓迎です。記録動画を後日公開します。
http://aloalo.co.jp/ai/exhibition/ex_symposium.html#ex_sym06
https://groups.oist.jp/ja/aiaae/symposia#06
https://www.goethe.de/ins/jp/ja/ver.cfm?fuseaction=events.detail&event_id=21087431

「美学の役割と芸術の問い」
秋庭史典(名古屋大学大学院情報学研究科准教授、美学芸術学)
わたしが話題にしたいことは二つあります。それらは、本展のタイトルに関
することです。言うまでもなくそれは「人工知能美学芸術展」ですが、ひと
つめは、美学は何を目的とする学問であり、その担い手は誰なのか、という
ことです。それを確認したのち、人工知能にとっての美学を考えるためにわ
たしたちが準備しておくべきことは何かを考えてみたい。これがひとつめの
話題です。もうひとつは、芸術に関する話題です。といっても、芸術とは何
かを問うのではありません。その代わり、人工知能が将来生み出すであろう
産物を、なぜ芸術という名のもとで論じる必要があるのか、を考えてみたい
と思います。これが二つめの話題です。
http://akibaf.com/

「オルター対ディープ・ビリーフ」
エレナ・ノクス(パフォーマンス/メディア・アーティスト、JSPS博士研究
員、早稲田大学表現工学科)
Elena's talk will unpack and evaluate her very recent art experiment
(December 2017) Omikuji, part of a new series of AI - art
experiments Alter versus Deep Belief.
Alter the robot (Ikegami Lab/Ishiguro Lab) was live-streamed by
Watanabe Lab between Tokyo and Seoul. Alter has experimental AI. It
uses a self-organising neural network to make sense of its world.
Such AI strategies include deep belief networks, through which
machines determine certain inputs to be believable.
In our world today, understanding belief systems is important to the
inter-harmony and the preservation of culture. Omikuji is a
participatory artwork exploring the way machines, and humans, learn
to believe things - and how, via robotics both hard and soft, they
may embody those beliefs. We want to uncover and express how Alter's
learning is mirroring our own.
People may be prompted to ask: How sure are we in our beliefs, or in
AI? How soft are they, and how hard?
※(III)作品「Canny」「Occupation」展示中。(17)センター棟B階。
http://www.lull.tv/knox.htm

「AIと共有可能な、新しい種類の美学」
久保田晃弘(多摩美術大学情報デザイン学科メディア芸術コース教授)
人間以外の他者と美学を共有することは可能なのか。人間の自然言語は、豊
かな詩的表現力を有してはいるが、それと同時に多義性や不確定性といった
あいまいさからも逃れ得ない。人間がAIという他者と芸術とその美学を議論
するためには、まず両者が共有できる言語で議論の基盤を設定することが必
要不可欠である。そこで講演者らは、現代数学から得られる公理的構造が、
美的なものごとと、その背景の動的関係の本質を記述できることを示した。
美とは機能の一種であり、その一貫性と単純性が美的なものごとを生み出す。
人間に依拠しない新しい種類の美学によって、美学や芸術における人間と機
械の境界は消滅する。
cf. Akihiro Kubota, Hirokazu Hori, Makoto Naruse and Fuminori Akiba,
A New Kind of Aesthetics - The Mathematical Structure of the Aesthetic,
Philosophies 2017, 2(3), 14; doi:10.3390/philosophies2030014
http://www.mdpi.com/2409-9287/2/3/14
http://hemokosa.com

■ナンカロウのロール紙自動演奏ピアノ実演

自動演奏ピアノは11/5のコンサートの後、エレベーターホールに展示されて
います。会期中に展示場所でナンカロウのピアノロールの実演を行います。
※毎日、昼12:30より(1/5を除く:FMレキオ出演のため)
https://groups.oist.jp/ja/aiaae/exhibition-events#nancarrow

■作家リストと作品解説

中ザワヒデキがギャラリートークした際の記録動画集です。日本語です。
http://aloalo.co.jp/nakazawa/2017/aiaae.html#n4

■クロージング・パーティー

2018年1月8日(月・祝)19:30-21:30 Cafe Grano @OIST
参加費3,000円(予約不要。その場で現金でお支払いください。)
https://groups.oist.jp/ja/aiaae/exhibition-events#closing

是非、お越しください。

人工知能美学芸術研究会
代表 中ザワヒデキ
企画 草刈ミカ
http://aloalo.co.jp/ai/


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2018-01-03(その2)
- AI美芸研サイトでの各回個別の頁は以下です。
- 第14回AI美芸研シンポジウム 04 AI美学と多神教 http://aloalo.co.jp/ai/research/r014.html
- 第15回AI美芸研シンポジウム 05 人工意識/人工生命 http://aloalo.co.jp/ai/research/r015.html
- 第16回AI美芸研シンポジウム 06 AI美学と機械 http://aloalo.co.jp/ai/research/r016.html
2018-01-03
- 本頁作成。
- 上記日本語メールを日本語話者に同報配信しました。
- 英語メールを英語話者に同報配信しました。 http://aloalo.co.jp/nakazawa/2018/0103a_e.html
- AI美芸研サイトの頁はこちらです。 http://aloalo.co.jp/ai/exhibition/
- OISTサイトの頁はこちらです。 https://groups.oist.jp/ja/aiaae
- 網上楼閣の頁はこちらです。 http://aloalo.co.jp/nakazawa/2017/aiaae.html
- フェイスブックの頁はこちらです。 https://www.facebook.com/events/566459020368857/


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