中ザワヒデキ文献研究　講義用覚書
2018年度第06回　2018年7月25日（水）19:00-22:00

中ザワヒデキ　Hideki Nakazawa
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「意識の謎」がなぜ見えづらいかという謎（ゲスト：セーラー服おじさん）

この講座ではときどき中ザワがその時お話ししたい人をお招きしておりますが、今回はセーラー服おじさんこと小林秀章氏をゲストにお迎えします。氏は昨年末、水着姿での撮影を沖縄で決行される前日に、OISTでのAI美芸研に御参加くださいました。以来、同会には何度かお越し頂いております。前回中ザワが発表した「心は計算である」にも御反応くださり、Facebookの同会頁で議論を展開され、標記のタイトルのブログ記事も御書きになりました。キーワードは「意識のハード・プロブレム」ですが、これについて氏が気づいてしまったゆえに抱えている問題系を存分に語らって頂き、また、受講者や配信視聴の皆様と共有して頂ければと考えました。中ザワ自身、とても楽しみです。

※「意識の謎」がなぜ見えづらいかという謎 http://bn.dgcr.com/archives/20180720110000.html

• 配布物：めがねと旅する美術展（受講者の方も自己宣伝配布等どうぞ）
• 本講座はSNS等での実況歓迎、配信歓迎、記録公開前提です。
• 講義中の飲食自由です。20:30頃に一回休憩します。終了は22:00を目指します。終了後、よかったら近場で飲食しましょう。
• 授業スケジュール http://bigakko.jp/bunken/sch
• お知らせ等（下方参照）を先に説明するかもしれません。

撮影：岩切等

【1】概略 by セーラー服おじさん

本講座へのお越しを御応諾くださいましたセーラー服おじさんより、概略を頂きました。以下全文です。

• 芸術家が作品を制作する原動力となるものは、やむにやまれぬ情熱、渇望、
  情動といった、心の奥底に渦巻くマグマであるらしい。しかし、心って
  なんだろう？
  
  CPU が多少熱を帯びるにせよ、情熱のマグマどころか心そのものがまるで
  宿っていない冷徹な計算機が、何やらわけの分からない計算をゴリゴリ
  実行した結果、作品っぽい何かをアウトプットしてきたとしたら、
  どうだろう。人の作った作品に比べると、何か本質的に異なる、何か肝心な
  ものが欠けた、空虚なパターンにすぎないのだろうか。しかし、心って
  なんだろう？
  
  心は脳に宿っているのだろうか。
  
  "You're nothing but a pack of neurons." ― Francis Crick, 1994
  
  脳は、約 860 億個の脳神経細胞 (ニューロン) からなり、ニューロン
  どうしはシナプス結合で連絡しており、その数は約 100 兆である。
  
  一個一個のニューロンの物理的な構造や、それらのシナプス結合による
  信号処理のメカニズムについて、もうほとんど謎が残っていない程度にまで、
  脳科学が解き明かしている。端的に言って、脳は計算しかしていない。
  
  計算しかしていない物質にすぎない脳に、どのようにして意識が宿るのか。
  別の角度から眺めなおせば、計算機のような人工物の上に意識を宿らせる
  ことは可能なのか。これが「意識のハード・プロブレム」である。
  
  問いをぼろっと投げかけるだけでは、すっとは理解しづらいので、これの
  周辺をもう少し詳しく探りまわってみたい。
  
  脳科学が捉えつつある「心」は、芸術の原動力たるマグマとは、だいぶん
  趣きが異なる。ここの折り合いがだんだんついてくると、芸術の側に、
  何かが起きるだろうか。

【2】「意識の謎」がなぜ見えづらいかという謎 by セーラー服おじさん

今回の機会の直接のきっかけとなったブログとFacebook上の議論、さらに発端の第19回AI美芸研です。

• 日刊デジタルクリエイターズ
  [4610]「意識の謎」がなぜ見えづらいかという謎◇震度7の生存確率
  投稿：2018年07月20日　 著者：デジタルクリエイターズ編集部
  http://bn.dgcr.com/archives/20180720110000.html


• Facebook
  小林 秀章さんがリンクをシェアしました。7月20日 16:02
  https://www.facebook.com/groups/1155307841158207/permalink/1963896383632678/


• Facebook
  小林 秀章さんがリンクをシェアしました。6月28日 21:50
  https://www.facebook.com/groups/1155307841158207/permalink/1930670040288646/


• AI美芸研
  第19回AI美芸研「感性と計算」（2018年6月24日、美学校）
  https://www.aloalo.co.jp/ai/research/r019.html
  https://www.aloalo.co.jp/nakazawa/2018/0614j_j.html


• 日刊デジタルクリエイターズ
  [4591] 個人の心より以前に普遍的な心があり、それは数学である
  投稿：2018年06月22日　 著者：デジタルクリエイターズ編集部
  http://bn.dgcr.com/archives/20180622110000.html


• 日刊デジタルクリエイターズ
  [4482] テクノロジと芸術の交差領域に何があるのか
  投稿：2017年12月22日　 著者：デジタルクリエイターズ編集部
  http://bn.dgcr.com/archives/20171222110000.html

【3】参考

中ザワにとっては、セーラー服おじさんが「意識のハード・プロブレム」に直面して一大事として困り果てているサマと、都築潤さんが「ビットマップとベクター」に直面して一大事として困り果てていた様子とが、重なって見えます。そして多分、両者は本質を同じくする問題なのだと考えています。中ザワの言葉で言い換えると原子論とイデア論の橋渡し（の不可能性）のことです。ちなみに原子論はグラフィックではビットマップで人工知能ではコネクショニズム、イデア論はグラフィックではベクターで人工知能ではシンボリズムです。

• 人工知能美学芸術宣言（2016年4月25日　中ザワヒデキ起草）注*8
  https://www.aloalo.co.jp/ai/manifesto.html#no8


• 中ザワヒデキ文献研究　2016年度第16回　2017年2月22日（水）19:00-22:00　講義用覚書
  クオリア、意識のハード・プロブレム
  https://www.aloalo.co.jp/nakazawa/2017/0222a.html


• 美学校夏期講座　トークセッション「都築潤×中ザワヒデキ」1 ニューエイドス以降　2015年8月21日
  https://bigakko.jp/opn_lctr/sc2015/tsuzuki-nakazawa


• 中ザワヒデキ文献研究　2015年度第06回　2015年9月2日（水）19:00-22:00　講義用覚書
  幽体離脱論、文字の意味と反意味、囲碁
  https://www.aloalo.co.jp/nakazawa/2015/09a.html


• 中ザワヒデキ文献研究　2015年度第05回　2015年8月5日（水）19:00-22:00　講義用覚書
  芸術特許、ニューエイドス
  https://www.aloalo.co.jp/nakazawa/2015/08b.html

【4】お知らせ等

• めがねと旅する美術展
  2018年7月20日（金）ー 9月2日（日）、青森県立美術館
  「アナグリフの穴」（1993）（「3D LOVE」東京都写真美術館出品作）を再制作出品中。
  http://torimega.com/megane/
  http://www.aomori-museum.jp/ja/exhibition/115/
  http://www.aomori-museum.jp/ja/press/release/115.html


• 美術手帖 70th × NADiff a/p/a/r/t 10th
  2018.07.06[金]—2018.07.29[日]、NADiff a/p/a/r/t
  「私が選ぶ『美術手帖』この1冊」選書フェアに参加しています。
  http://www.nadiff.com/?p=10124
  https://twitter.com/NADiff_apart/status/1018442675496734721


• 青山ブックセンター
  ・フェアタイトル：「100人がこの夏おすすめする一冊 2018 (仮)」
  ・選書フェア開催期間（予定）：2018年8月上旬～2018年9月下旬
  ・開催場所：青山ブックセンター本店 ・メインフェア(書店入口の大きな棚です)
  選書しました→小学館　日本美術全集　第19巻　拡張する戦後美術
  選書コメント→椹木野衣氏監修。同氏による論考はもちろん、作家と作品の選びにも、同氏の意欲的で野心的な主張があふれています。中ザワは作品解説の一部担当。自分だったらこの作家を入れたいとかこっちの作品を選ぶとかはあるけれど、それはそれとして、とても楽しくまた勉強になった執筆でした。執筆時の楽しさは読者に伝わると確信しています。


• 「モネ　それからの100年」7/14-9/24 横浜美術館
  8月に、東京新聞紙上で、辛酸なめ子氏と往復書簡予定。


• 第20回AI美芸研
  2018年8月18日夕方、なかのZEROにて開催決定。

2018-07-24
- 本頁作成。
- .@bigakko @amoruk @amoe15821971 @ezzspop @wakuwa @misonikomioden 【明日】2018年7月25日（水）は美学校　中ザワヒデキ文献研究 2018年度第06回「"意識の謎"がなぜ見えづらいかという謎（ゲスト：セーラー服おじさん）」です。続けてURL呟きます。 #文献研究 #AI美芸研
- 【明日】美学校中ザワヒデキ文献研究2018年度第06回2018年7月25日（水）19-22時（正規受講者対象）「"意識の謎"がなぜ見えづらいかという謎　ゲスト：セーラー服おじさん」撮影：岩切等 ※講義用覚書 https://www.aloalo.co.jp/nakazawa/2018/0725a.html … セーラー服おじさん（小林秀章氏）をゲストに迎えます #文献研究 #AI美芸研
- （承前）氏は昨年末、水着姿での撮影を沖縄で決行される前日に、OISTでのAI美芸研に参加されました。以来、同会には何度かお越し頂いております。前回中ザワが発表した「心は計算である」にも御反応くださり、Facebook上で議論を展開され、標記名のブログ記事も御書きになりました #文献研究 #AI美芸研
- （承前）キーワードは「意識のハード・プロブレム」ですが、これについて氏が気づいてしまったゆえに抱えている問題系を存分に語らって頂き、また、受講者や配信視聴の皆様と共有して頂ければと考えました。中ザワ自身、とても楽しみです #文献研究 #AI美芸研

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