美術家の中ザワヒデキです。
第1回AI美芸研(2016-06-19、東京)開催のお知らせです。
2016年5月1日に「人工知能美学芸術宣言」の発表とともに、AI美芸研(人工知
能美学芸術研究会)を発起人28名とともに発足しました。
多くのご反響をいただきましてありがとうございました。
第1回となる研究会を6月19日(日)に東京の美学校で下記要領にて開催します。
どなたでもご参加できます。皆様のご来駕をお待ち申し上げます。
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■開催概要
第1回AI美芸研(人工知能美学芸術研究会)
【日時】
2016年6月19日(日)15:00-18:40(予定)
※終了後懇親会(22:00まで)
【場所】
美学校(東京都千代田区神田神保町2-20第2富士ビル3F)
http://bigakko.jp/address_map/
【講演】
高橋恒一(理化学研究所生命システム研究センター)約40分間
藤井雅実(芸術哲学研究者)約40分間
中ザワヒデキ(美術家)約30分間
※各講演直後の質疑応答のほか、最後に全体討議の時間を設けます。
※当会の講演は配信、実況歓迎です。記録動画を後日公開予定です。
【参加費】
1,500円(どなたでも参加可)
※入場は先着順です。来場者が50名を超えた場合は、立ち見、もしくはご入場
いただけない可能性もございます。予めご了承ください。
※懇親会費別途(1,000円程度を予定、持込み歓迎)
■講演内容
近代の終焉の終わり -ベルリン中央駅、オートポイエーシス、機械知性-
高橋恒一(理化学研究所生命システム研究センター)
20世紀の前半、近代科学は間主観的視点の導入により数学の不完全性や量子論
的観察者のパラドックスを乗り切って現代科学への脱皮に成功したが、20世紀
の後半に至って非線形、大自由度、非平衡系の壁を超えられなかった。文明は
スペンサーが言う求心的なフェーズに入り、中世が再来するかに見えたが、深
層学習を突破口にgoogleなど複数のプレイヤーが第四次産業革命およびそれに
よる経済構造の根本的変化のきっかけとなる汎用人工知能の実用化レースに突
入し、近代の終焉の終わりを思索すべき時期が来ている。この美学におけるイ
ンパクトは、カントが純粋理性による愉悦と定義したものへの回帰かもしれな
い。一方で、汎用人工知能の基礎となる認知アーキテクチャーにおける環境と
内部モデルとの閉ループはユクスキュルの環世界と関連が深く、オートポイエ
ティックな行為主体の発生を意味する。
※理化学研究所生命システム研究センターで研究室を主宰。10代のころ作曲家
を志望。楽器の物理構造による制約に違和感を覚え、デジタル信号処理を利用
したコンピュータ音楽を学ぶため慶應SFCに進学。しかし、オートポイエーシ
ス理論に衝撃を受け、構想する自律性を持った生命としての音楽を実現するた
め生命科学に転向。世界初の全細胞シミュレーションを実現。現在は計算生物
学のほか、全脳アーキテクチャーの研究などにも従事。全脳アーキテクチャ・
イニシアティブ理事・副代表、慶應義塾大学SFC特任准教授、大阪大学招聘准
教授、RBI株式会社最高情報責任者などを兼務。AI社会論研究会共同発起人。
専門は脳型計算システム、計算システム生物学。人工知能の社会への影響など
にも興味を持つ。
http://lbcs.riken.jp/member/koichi-takahashi
AIは善悪・美醜の彼岸で夢を見るか?
藤井雅実(芸術哲学研究者)
人工知能は芸術的創作でも話題となっています。一方でレンブラントら巨匠の
様式を模し、他方、人間に想像しがたい不気味な画像を産出する。そうしたAI
の表現を美的・芸術的にどう評価するか? 巨匠様式の完璧な模倣・反復が可
能なら、従来の巨匠や天才の概念や評価はどうなる? 他方、ある種のAIアー
トの異様さは、日常的慣習を侵犯する前衛の美学の一種なのか? 前衛の美学
をも逸脱する異次元の<脱構築>か? 人間的基準と異質の深淵の開口なのか?
また、AIを創作主体と認めることは、AIに心や意識を認めることなのか? 完
全に人間と区別しえぬAIが出来たとして、ソレは、「哲学ゾンビ(振る舞い全
てが人間と区別できず、しかし意識を持たない存在者)」と同じではないか?
無限に複製可能なAI人格の可能性は、従来の主体や私や人権という観念をどう
照らし返すのか?
こうしてAIと芸術の問題は、美醜善悪など美学や倫理から、チューリング問題
以来の「機械と心」の問題、翻って人間の「脳と心」や「他者の心」などの問
題の核心部分にも関わるでしょう。
※諸分野を跨ぐ驚くべき論考で知られる藤井雅実は驚くべき容姿の持ち主でも
ある。日本現代美術界における「80年代アヴァンギャルド」の牙城、東京神田
の画廊パレルゴン元主宰した後、古典美術、美学、哲学、ゲーム、カーデザイ
ン、F1、などの研究・翻訳などを展開。『現代美術の最前線』編著他。(※文
責・中ザワ)
https://ja.wikipedia.org/wiki/藤井雅実
人工知能美学芸術宣言について:反芸術の立場から
中ザワヒデキ(美術家)
アルファ碁の衝撃が第3次AIブームを加速し、世界的なAI開発競争に日本もよ
うやく参戦した。しかし産学官の連携指針が「AIは人類の幸福のため」との前
提を自問することはない。ならばわれわれが反芸術、反美学、反ヒューマニズ
ムの止めとして人工知能美学芸術を追究しよう。人類史の幕引きを歓迎する。
※「中」だけ漢字、「ザワヒデキ」が片仮名の芸名は医学部在籍時より使用。
「バカCG」を経て「方法主義宣言」「新・方法主義宣言」。3Dプリンタ関連特
許、著書『現代美術史日本篇』他。文化庁メディア芸術祭審査委員。
http://aloalo.co.jp/nakazawa/
■AI美芸研(人工知能美学芸術研究会)
公式サイトを開設しました。
http://aloalo.co.jp/ai/
研究会発足
http://aloalo.co.jp/ai/found.html
人工知能美学芸術宣言
http://aloalo.co.jp/ai/manifesto.html
Facebook
https://www.facebook.com/groups/1155307841158207/
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第2回研究会は2016年8月6日(土)、東京の美学校にて開催予定です。
以上同報にて失礼しました。受取停止ご希望の方はその旨ご連絡ください。
本メールは転送自由、拡散歓迎です。
2016年6月10日配信
AI美芸研発起人代表
中ザワヒデキ
nakazawa@aloalo.co.jp
2016-06-10
- 上記日本語メールを日本語話者に同報配信しました。
- フェイスブックにイベント頁「第1回AI美芸研(人工知能美学芸術研究会)」を作成しました。
https://www.facebook.com/events/245747685798920/