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二九字二九行の文字座標型絵画第一番

二九字二九行の文字座標型絵画第一番
中ザワヒデキ(1997)

ビットマップCGのドットひとつひとつを文字に置き換えるといったような発想による作品。文字の配置はランダムではなく、濃淡でなにかを表すわけでもなく、ある読み方で文章になるわけでもない。五行、すなわち「木」「火」「土」「金」「水」の部首を持つ漢字をJISコード表から順番にピックアップしている。漢字群のすきまには平仮名を五十音順に流し込んでいる。文字には視覚側面と音声側面があるが本作は視覚側面にのみ用があるため、表意文字である漢字はそのままでよいが表音文字である平仮名は倒立して音声を消しておく必要があった。方法絵画と自称する作品のひとつ。[このテキストはアイデア誌294号'02-09(白黒特集)に掲載したものです。]







三五目三五路の盤上布石絵画第一番

三五目三五路の盤上布石絵画第一番
中ザワヒデキ(1999)

ビットマップCGのドットひとつひとつを碁石に置き換えるといったような発想による作品。囲碁の目的は、碁石すなわち点を連ねて線とし、その線で面を囲うことである。ということは、囲碁の目的じたいに、西洋美術が問題にしてきた点描すなわち色彩の問題と、線描すなわち形態の問題が含まれていることになる。本作では全面が囲碁用語でセキ(持)と呼ばれる、互いに一手でも手を出した方が全滅するという状態となっていて、囲碁的には生と死のちょうど中間であり、西洋美術的には点描と線描のちょうど中間だ。すなわち色彩画と形態画のちょうど中間のヴィジュアルが論理的に得られた状態となっている。方法絵画と自称する作品のひとつ。[このテキストはアイデア誌294号'02-09(白黒特集)に掲載したものです。]




参考:
白黒こそ色彩
[アイデア誌294号'02-09(白黒特集)掲載原稿]



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機関誌「方法」
誌上発表作品