第四表現主義(仮)について語る会
昨2010年ころより、日本のアートシーンに重大な変化が到来しているように私は直観します。たとえば「間欠泉※1」「全ポ連※2」「カオス*ラウンジ※3」等々に見られる、多人数によるお絵かき大会スタイルの流行です。それらの場で高速かつ大量に産生される情動的で一見未完成風の作品群は、昨今主流の細密的マニエリスムとは180度位相を異にします。そしてお絵かき大会に限らず、現在の若い世代の数多くの表現に、この傾向が見受けられるようになってきたと感じます。
私はこの全体的な傾向を、「第四表現主義※4」と呼びたいと思います。当事者たちからしてみれば、同じ範疇にくくられることや、名付けられること、歴史化されることに対する異論や拒否は当然あるでしょう。しかしそのいっぽうで、直前の時代とは異なる横つながり的な空気も、感じとられている可能性もあるのではないでしょうか。そして私自身は、この変化は1980年前後の「ヘタうま」到来に匹敵する、重要なパラダイム・シフトに違いないと直観しています。
「第四表現主義(仮)について語る会※5」では、このような私の見方に賛成か反対かはともかくとして、私がそのように見ている人たちにお集まりいただければと考えております。私から第四表現主義の概念について若干説明させていただいたあと、お集まりいただいたかたがたに、観客の皆様も交え、まずは、お語りいただければと思います。
2011年11月15日
中ザワヒデキ(美術家)
■開催概要
2011年12月1日(木)18:00-21:00 入場無料 予約不要
中ザワヒデキ油彩新作展「かなきり声の風景」(2011.11.15-12.2)会場内
ギャラリーセラー 東京都中央区銀座1-21-14 www.gallerycellar.jp
[注意] スペースには限りがあり、来場者多数の場合お入りいただけない可能性があります。
■参加予定者(2011年11月21日現在)
齋藤祐平(絵描き、「間欠泉」)
小田島等(イラストレーター、「全ポ連」)
藤城嘘(美術家、「カオス*ラウンジ」)
黒瀬陽平(美術家、美術批評家、「カオス*ラウンジ」)
石井香絵(美術史家)
二艘木洋行(アーティスト)
松下学(キュレーター、Rad.Commons/棚ガレリ)
都築潤(イラストレーター)※京都よりスカイプ参加
沖冲.(ペインター/ドローイングライター、mograg garage)※数分間のみスカイプ参加
ほか
※1 間欠泉……齋藤祐平が企画するライブペイント・イベント/展覧会のシリーズ名。第一回は2010年11月7日に行われた「井の頭間欠泉」。現在までに計8回開催されている。
※2 全ポ連……全日本ポストサブカルチャー連合(大橋裕之、小田島等、箕浦建太郎)の略称。2010年8月19日に行われた『HMV渋谷おつかれサマーフェス!』臨時出演のために結成され、メンバーは流動的。
※3 カオス*ラウンジ……藤城嘘、黒瀬陽平、梅沢和木の三名をメインメンバーとし、流動的な多数の参加者からなる現代アート集団。2010年4月10日、「カオス*ラウンジ宣言」。
※4 第四表現主義……中ザワヒデキの造語。近現代の美術史は「表現主義→反芸術→超現実主義」の繰り返しであるとし、日本の第一表現主義は萬鉄五郎らのフュウザン会、第二表現主義はアンフォルメル旋風、第三表現主義はヘタうまであったとする。2011年4月9日、美学校の公開講座で第四表現主義の概念を発表。
※5 第四表現主義(仮)について語る会……この「(仮)」も含んで会の正式名称とします。すなわち開催当日にもこの「(仮)」は取り去りません。理由は、「第四表現主義」の呼び名に賛同でないひとにも参加の間口を広げたいからです。
添付ファイル: nakazawa.pdf
2011-11-21
- 日本語話者に上記日本語メールを同報配信しました。
2011-11-27
- 英語話者に英語メールを同報配信しました。
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