中ザワヒデキ
Nakazawa Hideki



Money Amount No.23

「金額」プリンター・デモンストレーション



2004年6月15日記入……秋の公演 (詳細未定) のための準備として


◎概要

中ザワヒデキ (美術家) の作品シリーズ「金額」を床面等にインストールするにあたり、実際にインストールされた作品のみならず、インストール作業自体も作品であるとみなして、併せて呈示するもの。すなわち以下のとおりである。
「金額」プリンター・デモンストレーション = 作品「金額」 + 実演(プリンター・デモンストレーション)


◎作品「金額」について

多数の硬貨をある規則にもとづいて集めて作品と宣したもの。そのタイトルは「1107枚の硬貨から成る20523円 (金額第一番)」等となる。形態的には二枚の透明アクリルにはさんだもの、ビニル袋に入れたもの等多種あるが、秋の神奈川公演では広大な床面に並べたものとする予定。
その意味で、2001年3月に京都芸術センターで開催された「program_seed展」への出品作である「149101枚の硬貨から成る353100円(金額第二三番)」を参照先とする。
- 同作の図版 (撮影: 福永一夫)
- 同作の組成表 (硬貨の並べ方の規則)
- program_seed展 (中ザワヒデキのサイト内)


◎実演(プリンター・デモンストレーション)について

硬貨を並べるインストールの作業は、作業人員たちが一体となった巨大な一個のプリンターにたとえることができる。すなわち、インクジェット・プリンターはインクを1ピクセルずつプリンティング・ヘッドから吐き出すが、「金額」のインストールでは硬貨のひとつひとつを床面に一定の規則で置いていく。それが最も効率よく機能するためには、最終的なプリンティング・ヘッドに相当する人員が1名だとしても、ヘッド部分全体としては7名程度の人員が必要で、さらに、硬貨を予め種別に数え蓄えておくために10名程度の人員がそのほかに必要である。
作業のスピード、すなわち印字速度に関しては、たとえば上記「149101枚の硬貨から成る353100円(金額第二三番)」をインストールする際、1秒あたり硬貨を1枚置くことができるならば、単純計算では149101秒=42時間弱の時間が必要となる。これは作業分担と練習によってある程度の高速化が期待されるものである。

秋の公演では、公演当日前の仕込みの期間にこの作業をある程度行い、それをビデオ録画しておき、公演当日にはその早回し映像をループで放映する。床面上の「絵」が、実際にプリントアウトされていく様子が明らかになることを期待する。
また公演日当日も、10分ほど(正確な時間は不明)時間をくぎって、実際のデモンストレーションを行う。つまり、当日前に達成した「a枚の硬貨から成るb円」は、当日の実演作業によって「c枚の硬貨から成るd円」へと変化するわけである。二回目の実演では、さらに「e枚の硬貨から成るf円」へと変化する。
参照先としては、上記「金額第二三番」の作業記録写真集がある。
- 作業写真集


◎備考

「金額」制作のための同様の作業は、京都での作業以降には2002年秋に東京で1回、2003年にニューヨークで2回行っている。しかし、作業自体も作品であるとして公開するのは2004年秋の発表が初回となる。この発表では「方法マシン」という集団が作業実演する予定であり、あらかじめ効率よく作業分担し、練習を行ってから実演に臨むため、極めて高速で整然とした「プリンター・デモンストレーション」が期待できる。



Sorry for no english page.

中ザワヒデキ頁に戻る